厚生労働省は10月26日の第137回社会保障審議会介護保険部会で、ケアマネジャーの法定研修を見直す検討状況を報告した。更新制の廃止に合わせ、分割受講やオンライン化を進め、初任段階の研修時間を縮減する内容である。資料では、新しい研修体系の施行を2027年12月1日とする方針を示している。
■更新制の廃止は、研修不要を意味しない
今回の見直しは、研修を通じた支援の質の確保と、受講にかかる時間的・経済的負担の軽減を両立させるためのものだ。研修を受けなければ証の有効期限で直ちに業務ができなくなる仕組みを改める一方、実務に従事するケアマネジャーには継続して研修を求める。
厚労省の資料3に示された新体系では、原則として就業開始から5年を区切りに分割受講できるようにする。離職や育児による休職などの期間は算定から除く。基本的にオンライン・オンデマンド形式とし、講義には国が作成する動画やスライドを使う方向である。
■初任研修は42時間以上、定期研修は32時間以上の案
比較表の案では、現在56時間以上の専門Ⅰ課程を、42時間以上の「初任研修」に改める。受講時期は就業後6か月以上3年以内とされる。専門Ⅱ課程などに相当する「定期研修」は32時間以上で、初任研修とは別に必要となる。最初の5年間は初任研修と定期研修の両方を受ける整理である。
また、現在54時間以上の再研修などに代わり、15.5時間以上の「復職支援研修」を設ける案を示した。対象には、退職から3年以上経過して再就労を希望する人や、既に証が失効していて就労を希望する人などが含まれる。すべての研修が一律に短くなるわけではない。
■事業者にも受講機会を確保する役割
見直し後は、本人だけでなく雇用する事業者にも受講機会を確保するための措置を求める。資料では、勤務時間中の研修を労働時間として扱うことや、円滑に受講できる業務配分・人員配置を想定している。
受講期間内に修了できなくても直ちに業務停止とはしない一方、研修義務自体がなくなるわけではない。都道府県が事業者の対応を確認し、本人や事業者に段階的な措置を講じる仕組みが示されている。
■現行の受講予定と、今後の制度移行を分けて確認
今回の部会報告は、将来の制度移行に向けた具体化の段階であり、10月26日から新しい時間数や受講方法に切り替わったという意味ではない。事業所にとっては、研修を本人だけの予定にせず、勤務計画と受講状況の管理に組み込む点が重要となる。現行の研修案内と今後示される移行時の取扱いを分けて確認する必要がある。
