介護の人員配置系加算、縮減と要件緩和を提案|財務省が成果重視の評価へ

2026.11.05
介護施設の職員配置表と見守り機器を落ち着いた色で描いたイラスト。「介護の人員配置系加算」「縮減と要件緩和を提案」の文字。

財務省は2026年11月4日の財政制度分科会に示した社会保障の資料で、介護の体制・人員配置に係る加算について、単位数の引下げと算定要件の緩和を一体で進める案を示した。現在と同じ水準のケアを保つ体制の確保に配慮しながら、介護テクノロジーを活用しやすい報酬体系へ見直すという提案である。

これは財務省が示した検討の方向であり、介護報酬の変更が決まったわけではない。該当箇所に具体的な減額幅や実施日は示されていない。

■人員を維持する評価から、成果を重視する評価へ

資料の74ページでは、機器を導入しても人員配置を見直すと一定の加算を失うため、配置を維持する動機が働きやすい可能性を指摘している。そのうえで、加算の縮減と要件緩和を組み合わせ、人件費の効率化による効果が加算縮減による減収を上回るように制度を設計する考えを示した。

これは制度設計の目標であり、すべての事業所で減収を補えることが確認されたという意味ではない。施設の配置や収入に関わる提案だけに、どの加算をどの程度見直すかが今後の具体化で重要になる。

■看護・夜間配置や介護福祉士の割合などを例示

特別養護老人ホームなどの看護体制加算では、加算を縮減する一方、オンコール、見守り機器による夜間の状態把握、協力医療機関や訪問看護との連携を組み合わせた体制も評価し、看護職員の配置要件を緩和する案を挙げた。

特養、介護老人保健施設、認知症グループホームの夜間配置系加算では、見守り機器やインカムを活用した体制を評価し、夜勤職員の追加配置要件を緩和する案を示した。ここで取り上げているのは、法令の基準を上回る配置を評価する加算の要件である。

日常生活継続支援加算、入居継続支援加算、サービス提供体制強化加算についても、ICTを活用した継続的なケア改善体制を評価し、介護福祉士の割合要件を緩和する方向を示している。個別機能訓練加算や栄養マネジメント強化加算などでは、ICTや外部専門職による計画作成・モニタリングを評価し、専従・常勤配置要件を緩和する案を挙げた。

■機器導入だけでなく、賃上げや利用者の状態も評価

中長期的には、機器の導入や体制を整えたかどうかだけでなく、生産性向上や賃上げといった事業者の成果を重視する考えである。併せて、要介護度の改善、日常生活動作(ADL)の維持・改善、在宅復帰など、利用者側の成果も評価し、自立支援や重度化防止との両立を目指すとしている。

前の73ページに掲載した分析では、生産性の伸びと賃金の伸びには統計的に有意な関係が見られた一方、機器の導入と生産性・賃金の伸びとの間には有意な関係を確認できなかったとしている。ただし、機器導入の情報を把握できる調査時点が限られるなどの制約があり、機器に効果がないことや、導入と成果の因果関係を確定した分析ではない。

今回の資料が示すのは、ケアの質を保ちながら、配置・機器・成果を報酬上どう評価するかという論点である。事業所の配置や請求が直ちに変わるものではなく、今後の制度上の決定と具体的な要件を分けて確認する必要がある。

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