厚生労働省は2026年11月2日、第273回社会保障審議会介護給付費分科会で、介護老人保健施設(老健)の在宅復帰率に、特別養護老人ホーム(特養)への退所を含める案を示した。2027年度介護報酬改定に向けた検討で、老健の在宅復帰・在宅療養支援機能を測る指標の見直しを提案した。
■特養への移行を在宅復帰率の評価対象に
現行の老健の在宅復帰率の算定では、他の介護保険施設への退所は在宅復帰として扱われていない。厚労省は、診療報酬との整合性や、特養が利用者の移行先となっていることを踏まえ、特養への退所を計算対象に含めるなど、算出方法を見直してはどうかとした。
老健に関する資料の43ページに示された案であり、老健が担う支援を介護報酬上どう評価するかが論点である。対象として明記された退所先は特養で、他の介護保険施設すべてを含める案とはされていない。
■看取りや入院の状況も評価指標の見直しへ
厚労省は、利用者像に関する指標も見直す案を示した。現在の要介護4・5や経管栄養に関する指標を、看取りへの対応や、施設から医療機関に入院する比率などの指標へ整理する考えである。
資料では、ターミナルケア加算の算定状況には施設類型による差がある一方、要介護度などの利用者像に関する指標には差がほとんどないと説明している。老健に期待される機能を評価するため、どの実績を指標として捉えるかを検討する。
■感染症による入退所停止期間の扱いも提案
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザにより入退所を停止した期間を、在宅復帰率の計算から除外する扱いを制度上明確にする案も示された。現行では、新型コロナに限り臨時的な取り扱いが設けられている。
いずれも分科会に示された対応案である。具体的な計算方法や評価基準、適用時期が決まったものではないため、事業所が現行の算定を変更する根拠にはならない。今後の審議では、特養への移行支援や看取りへの対応を、老健の機能評価にどう組み込むかが焦点となる。
