離床
ひとことでいうと
離床
離床(りしょう)とは、文字どおり**「床(とこ)から離れること」**を意味し、医療・介護現場では、ベッド上で過ごしている状態から起き上がり、車椅子へ移るなど、ベッドを離れて活動することを指します。日本集中治療医学会の資料でも、日本で使われる「離床」はベッドから離れて車椅子などへ移ることを意味すると整理されています。
一方で、現場では端座位や立位などを含めて広く「離床」と表現することもあり、どの段階から離床とするかについて統一された使われ方をしていない場合があります。 一般病棟を対象とした調査でも、離床の定義には職種を問わずばらつきがあることが報告されています。
離床は単に「ベッドから起こすこと」が目的ではありません。その方の状態に合わせて活動量を確保し、身体機能や日常生活動作の維持・回復につなげることが重要です。
なぜ離床が大切?
病気やけがなどによってベッド上で過ごす時間が長くなると、身体を動かす機会が減り、筋力や持久力の低下、関節の動きにくさなどにつながることがあります。
特に高齢者では、入院や体調不良をきっかけに活動量が大きく低下し、その後の日常生活動作にも影響することがあります。
そのため、状態が許す範囲でベッドから離れ、座る・立つ・歩くなど、その方に適した活動へ段階的につなげていくことが大切です。
ただし、早く離床すればするほどよいわけではありません。病状や血圧、呼吸状態、意識状態、痛みなどを確認し、安全性を確保したうえで進めることが重要です。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、「離床=歩かせること」と考える必要はありません。
その方の状態によっては、ベッドから車椅子へ移って過ごすことも大切な離床です。食事をベッド上ではなく車椅子や椅子に座ってとるなど、日常生活の中で自然に活動する機会をつくることも重要です。
一方、長期間ベッド上で過ごしていた方を急に立たせると、血圧低下やふらつきなどが生じる場合があります。特に離床時には、顔色、意識状態、血圧、脈拍、呼吸状態、めまいやふらつきなどの変化に注意しましょう。
「とにかく起こす」のではなく、その日の体調や身体機能に合わせて、安全に活動量を増やしていくことが離床では大切です。
参考情報・参考文献
一般社団法人 日本集中治療医学会「集中治療室における早期リハビリテーション ~早期離床やベッドサイドからの積極的運動に関する根拠に基づくエキスパートコンセンサス~」
2017年
参照日:2026年9月7日
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会「診療ガイドラインのご案内」
参照日:2026年9月7日
