リクライニング
ひとことでいうと
リクライニング
リクライニングとは、介護・福祉用具の分野では主に、車椅子などの背もたれ(バックサポート)の角度を変える機能を指します。
厚生労働省の補装具に関する資料では「リクライニング機構」として、バックサポートの角度を変換し、その傾斜を工具を使わずに調整できる機構とされています。
この機能を備えた車椅子は「リクライニング車椅子」「リクライニング式車椅子」などと呼ばれます。通常の車椅子で長時間同じ姿勢を保つことが難しい方などに使用されます。
背もたれを後方へ倒すことで上半身の角度を変えられるため、座位姿勢の調整や休息などに活用できる機能です。ただし、単純に背もたれを倒せばよいわけではなく、身体のずれや姿勢の崩れなどにも注意する必要があります。
ティルトとの違いは?
リクライニングと混同されやすい機能がティルトです。
リクライニングは、主に座面に対する背もたれの角度を変える機能です。背もたれを後方へ倒すと、座面と背もたれの角度が広がります。
一方、ティルトは座面と背もたれの角度関係を保ったまま、座席全体を後方へ傾ける機能です。
つまり、
リクライニング=背もたれの角度を変える
ティルト=座面と背もたれを一体的に傾ける
と考えると違いを理解しやすくなります。
また、両方の機能を備えた**「ティルト・リクライニング機構」**もあります。厚生労働省の基準でも、リクライニング、ティルト、ティルト・リクライニングはそれぞれ異なる機構として整理されています。
現場で知っておきたいポイント
リクライニングを操作するときに注意したいのが、背もたれを倒すことで身体の位置関係が変化することです。
ご利用者様の身体状態や車椅子の構造によっては、背もたれを倒す・起こす過程で身体がずれたり、姿勢が崩れたりすることがあります。そのため、操作後は座面上での骨盤や体幹、頭部、足部などの位置を確認することが大切です。
また、周囲に壁や家具などがある状態で背もたれを倒すと接触する可能性があります。リクライニングを操作する前に、車椅子後方を含めた周囲のスペースを確認しましょう。
リクライニングとティルトにはそれぞれ異なる特徴があります。「身体を後ろに倒したいからリクライニング」と単純に考えるのではなく、ご利用者様の身体機能や姿勢、使用目的に合わせて適切な機能を選択することが重要です。
参考情報・参考文献
厚生労働省「補装具費支給事務取扱指針」
2026年4月改正
参照日:2026年9月8日
厚生労働省「車椅子及び電動車椅子にかかる方向性」
参照日:2026年9月8日
