要介護認定の審査簡素化、対象拡大を提案 前回有効期間「6か月以上」へ

2026.10.26
要介護認定の審査簡素化で前回有効期間の条件を12か月以上から6か月以上へ緩和する案を示すニュース画像

厚生労働省は10月26日の第137回社会保障審議会介護保険部会で、介護認定審査会の審査を簡素化できる対象を広げる案を示した。現在の条件の一つである「前回認定の有効期間が12か月以上」を「6か月以上」へ緩和する内容である。自治体ごとの簡素化の実施割合を毎年公表することも提案した。

■一定の更新申請が対象、すべての認定ではない

介護認定審査会の簡素化は、要介護認定そのものをなくす仕組みではない。一定の条件に合う更新申請で、コンピュータによる一次判定結果を審査判定結果とし、委員の包括的な同意を得ることで個別の審査に代えるなどの方法である。

現行では、第1号被保険者の更新申請であること、一次判定の要介護度が前回認定と一致すること、前回認定の有効期間が12か月以上であることなど、六つの条件すべてを満たす必要がある。要介護1・要支援2の場合の状態の安定性や、一段階重い要介護度に近い判定でないことも条件に含まれる。

今回示された緩和案は、このうち前回の有効期間に関する条件を見直すもので、新規申請を一律に簡素化したり、すべての更新申請の審査を省略したりする提案ではない。

■簡素化できる申請でも実施されないケース

厚労省の資料2「要介護認定について」では、2024年度に申請された第1号被保険者の更新申請231万9,293件のうち、現行の簡素化条件に合うものは32.7%、75万9,230件だった。一方、実際に簡素化されたのは更新申請全体の17.9%、41万5,243件で、条件に合っていても実施されなかった申請が34万3,987件あった。

この32.7%と17.9%は、いずれも更新申請全体を分母とする割合である。簡素化対象となった申請だけを分母にした割合とは異なる。厚労省は、簡素化が可能であることを改めて周知し、対象申請のうち実施された割合を自治体別に公表する案を提示した。

■「6か月以上」に広げた場合をデータで分析

前回の有効期間を6か月以上へ広げる分析では、新たに6万565件が簡素化の対象となる。この追加対象のうち、二次判定で要介護度が変更された割合は1.1%で、重い区分への変更が0.9%、軽い区分への変更が0.2%だった。分析には2024年4月1日から2025年3月31日までの申請データを用いている。

■現時点は検討案、利用者への説明は区別を

今回の内容は介護保険部会に示された論点であり、条件変更が既に実施されたわけではない。利用者や家族に説明する際も、現行の認定手続と今回の見直し案を区別する必要がある。今後の具体的な取扱いは、検討結果や通知を確認することになる。

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