厚生労働省は11月6日の社会保障審議会介護給付費分科会で、居宅介護支援にサテライト事業所を制度的に位置付ける案を示した。本体事業所の支援を受けながら、別の活動拠点で地域の状況を把握し、関係機関と連携してケアマネジメントを継続する仕組みである。
介護を必要とする人が住み慣れた地域で暮らすには、ケアプランを作るだけでなく、利用できるサービスや地域の資源を知り、関係者をつなぐ役割が欠かせない。今回の案は、人材確保が難しい地域でも、その役割を担う体制をどう維持するかという課題に対応するものだ。
■本体事業所が支える地域の活動拠点
厚労省の資料2(43ページ)は、中山間地域などでケアマネジャーの確保に加え、地域の実情や社会資源を把握した継続的な支援体制が重要だと整理している。本体とは別に設ける活動拠点を制度上位置付け、その体制を評価する加算を創設する案である。
単に事務作業を別の場所で行うというだけでなく、本体事業所によるバックアップと、地域の関係機関との連携を組み合わせる点が特徴となる。
■貸し会議室やテレワークも認める案
設置要件の例として、人員基準や各種の加算・減算を本体事業所と一体的に扱うことを挙げた。事業を行う区画を自ら確保する必要はないとし、貸し会議室の活用やテレワークも認める案が示されている。
利用者情報などの記録は、クラウドシステムを使って本体事業所に電子保存できることを条件に、サテライト側へ別途書類を備え置かなくてもよいとする考え方だ。活動拠点を設ける際の負担を抑えつつ、本体で記録を管理する仕組みを想定している。
■緊急時の対応と管理が前提
一方、設置しやすさだけを優先する案ではない。本体事業所が適切に管理し、緊急時にも対応できる体制を要件とする。指定権者による指導を確実にする観点から、都道府県外の設置は認めないことを基本とし、中山間地域などでは要件を緩和する案である。
今回示されたのは、2027年度の介護報酬改定に向けた対応案である。加算の単位数や詳細な算定条件が決まったわけではなく、現行の取扱いがすでに変更されたものでもない。居宅介護支援の事業者にとっては、地域の支援体制を広げる可能性と、本体側が負う管理・緊急対応の条件を併せて確認すべき提案となる。









