介護従事者の賃上げ率3.93%|17団体の調査で明らかに

2026.10.07
介護施設の事務室をイメージした写真風の背景に、「介護従事者の賃上げ率 3.93%」と記した画像

介護関係の17団体が共同で実施した調査で、2026年の介護従事者の賃上げ率が3.93%だったことが分かった。平均の賃上げ額は1万114円。調査は9月に行われ、全国の8219施設・事業所から回答を得た。結果は10月6日に明らかになった。

■ 介護の幅広い職種を対象に調査

調査の名称は「介護分野の幅広い職種の賃上げ及び介護事業所の経営状況等調査」。老人保健施設や特別養護老人ホームなどの事業者団体に加え、看護、リハビリ、ケアマネジメントなどに関わる団体も参加した。2027年度の介護報酬改定に向け、賃金や事業所経営の実態を示す資料とするために実施された。

今回の3.93%は、回答した施設・事業所について報じられた調査結果だ。介護従事者全員の賃金が一律に3.93%上がったことを意味する数字ではない。職種やサービスごとの賃上げ状況を、この数字だけから判断することもできない。

■ 春闘集計の5.01%とは対象が異なる

連合が公表した2026年春闘の最終回答集計では、賃上げ率は全体で5.01%だった。今回報じられた介護分野の3.93%とは1.08ポイントの差がある。

ただし、連合の数字は加盟組合の春闘回答を集計したもの。介護関係17団体の施設・事業所調査とは対象も集計方法も異なるため、この差をそのまま「全産業と介護の賃金格差」と読むことはできない。それでも、他分野で5%台の賃上げが続くなか、介護現場が人材を確保するうえで、賃金水準は引き続き重要な論点となる。

■ 6月には処遇改善加算を拡充

政府は2026年6月から、介護職員等処遇改善加算を拡充した。訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援、介護予防支援にも加算が設けられ、処遇改善の対象となるサービスが広がっている。

ただし、今回の調査結果だけで、加算の拡充が賃上げ率にどれだけ影響したかは分からない。加算の取得状況や事業所内での配分、職種ごとの給与の変化を併せて見る必要がある。

■ 次の介護報酬改定に向けた論点に

17団体は2027年度の介護報酬改定に向け、基本報酬の引き上げや継続的な賃金改善、物価上昇によるコスト増への対応を求めている。介護事業所はサービスの価格を自由に決められない。人件費と運営費の上昇にどう対応するかは、職員の処遇だけでなく、地域でサービスを続けられるかにも関わる。

今回の数字を評価する際には、賃上げ率に加え、実際の給与水準や職種ごとの差、事業所の経営状況を確認することが欠かせない。次期改定では、現場の賃上げとサービスの安定的な提供をどう両立させるかが問われる。

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