2027年度の介護報酬改定に向け、介護関係団体から基本報酬の引き上げや見直しを求める意見が相次いだ。厚生労働省が9月10日に開いた社会保障審議会・介護給付費分科会の意見交換会で示された。
全国ホームヘルパー協議会と日本ホームヘルパー協会は、継続的な物価高騰や賃金上昇によって、訪問介護事業所の経営環境が深刻になっていると説明。ホームヘルパーが専門性を生かして働き続けられるよう、基本報酬を引き上げることを要望した。
両団体は、2024年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことにも言及。移動時間や経費を含む事業構造の違いを把握し、安定してサービスを提供できる報酬体系にする必要があるとした。
地域共生ケア全国ネットワークも、訪問介護の基本報酬を現場の実態に即して引き上げるよう求めた。
同団体は、利用者宅への移動、サービス記録、関係者との連絡調整などに要する時間が、現在の報酬体系に十分反映されていないと指摘。短期間の補助や加算による対応ではなく、基本報酬の引き上げによって、事業所の安定運営とヘルパーの処遇改善につなげるべきだとした。
加算については、要件を満たすための事務作業が増え、小規模な事業所ほど活用しにくくなるおそれがあるとの意見も示された。制度や加算、運営基準、提出書類などの整理・簡素化も要望している。
全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会は、小規模多機能型居宅介護について、特に要介護1・2の基本報酬の引き上げを求めた。
要介護度だけでは、独居や認知症のある利用者に必要な訪問回数、宿泊、家族に代わる支援などの負担を十分に表せないとして、実際の支援量を報酬に反映する必要があると訴えている。
今回の意見交換では、サービスの種類や課題に違いはあるものの、加算や一時的な支援だけでなく、事業運営の土台となる基本報酬を見直してほしいという要望が複数の団体から示された。
ただし、いずれも関係団体からの要望であり、基本報酬の引き上げが決まったわけではない。厚労省は今後、各サービスの経営状況や人材確保、物価・賃金の動向などを踏まえ、2027年度改定の具体的な内容を検討する。
