はじめに
介護現場で、ご利用者様がベッドから起き上がったときや、椅子から立ち上がった直後に

「ふらふらする」
「目の前が暗くなる」
と訴えることはありませんか。
高齢者のふらつきというと、筋力やバランス能力の低下を思い浮かべるかもしれません。しかし、立ち上がったときに血圧が低下する「起立性低血圧」が関係していることもあります。
起立性低血圧は、めまいやふらつきだけでなく、転倒や失神につながることもあるため、介護現場でも知っておきたい症状の一つです。
大切なのは、無理に立たせたり歩かせたりするのではなく、症状が起こる仕組みを理解し、その方の状態を確認しながら安全に動いていただくことです。
起立性低血圧とは?まず知っておきたい基本知識
起立性低血圧とは立ち上がったときに血圧が低下する状態
起立性低血圧とは、寝た状態や座った状態から立ち上がったときに血圧が低下する状態のことです。
私たちが横になっているときは、血液は比較的全身に分布しています。しかし、そこから身体を起こして立ち上がると、重力の影響によって血液が下半身に移動します。
通常であれば、この変化に対して自律神経などが働き、血管を収縮させたり心拍を調整したりすることで、血圧が大きく下がらないように身体が対応します。
ところが、この調節がうまく働かなかったり、血液量が不足していたりすると、立ち上がったときに血圧を十分に保てないことがあります。
その結果、一時的に脳への血流が減少し、
- めまい
- 立ちくらみ
- ふらつき
- 目の前が暗くなる
といった症状が現れることがあります。
介護現場では、ご利用者様が「立てるかどうか」だけを見てしまいがちですが、立ち上がった直後に身体の中では大きな変化が起きていることを知っておくことが大切です。


起立性低血圧の診断基準
起立性低血圧には、血圧変化の目安となる基準があります。
一般的には、
立ち上がってから3分以内に、
・収縮期血圧(上の血圧)が20mmHg以上低下する
または
・拡張期血圧(下の血圧)が10mmHg以上低下する
場合に、起立性低血圧と定義されます。
例えば、横になっているときの血圧が「130/70mmHg」で、立ち上がったあとに「105/65mmHg」になった場合、収縮期血圧が25mmHg低下しているため、この基準に当てはまります。



ただし、ここで注意したいのは、血圧の数字だけを見て介護者が起立性低血圧と判断するものではないということです。
起立性低血圧は症状が出る場合もあれば、明らかな自覚症状がない場合もあります。また、食事、水分状態、時間帯、服薬、直前まで横になっていた時間などによっても血圧反応は変化します。
繰り返し症状が現れる場合や、血圧低下が大きい場合、失神などを伴う場合には、医師や看護師などの医療職へ相談し、適切な評価につなげることが大切です。
高齢者に起こりやすい理由
起立性低血圧は、高齢者では特に注意したい症状の一つです。近年の専門家レビューでも、高齢者は起立性低血圧がみられやすい集団として挙げられています。
その理由は、一つだけではありません。
年齢を重ねることで血圧を調節する身体の働きが変化することに加えて、
水分不足、服薬、病気、活動量の低下
など、複数の要因が重なっていることがあります。
特に介護が必要な高齢者では、
- 食事や水分摂取量が少なくなっていたり
- 複数の薬を服用していたり
- 病気や入院をきっかけに活動量が低下していたり
することも珍しくありません。
そのため、



「高齢だから立つとふらつくのは仕方ない」
と考えてしまうのは注意が必要です。
立ち上がったときのふらつきには、身体からのサインが隠れている可能性があります。
まずは「いつ、どのような姿勢変化で症状が起きているのか」に目を向けることが、原因を考える第一歩です。
起立性低血圧ではどんな症状が出る?
起立性低血圧では、立ち上がったときの血圧低下によって、さまざまな症状が現れることがあります。
代表的なのはめまいやふらつきですが、症状の現れ方には個人差があります。
介護現場では、ご利用者様からの訴えだけでなく、立ち上がった直後の表情や身体の変化にも目を向けることが大切です。
めまい・ふらつき・立ちくらみ
起立性低血圧でよくみられるのが、めまい・ふらつき・立ちくらみです。
ベッドから起き上がったときや、椅子から立ち上がった直後に、
- 目の前が暗くなる
- 頭がぼーっとする
- 身体がふらつく
- 足元が不安定になる
- 気が遠くなるように感じる
といった症状が現れることがあります。
症状が軽い場合には、本人も「少しフラッとしただけ」と気にしていないことがあります。
しかし、介助者がそのまま歩行を促してしまうと、身体のバランスを崩す可能性があります。



そのため、立ち上がれたからといって、すぐに歩き始めてよいとは限りません。
立位になったあとも、ふらつきがないか、安定して姿勢を保てているかを確認することが重要です。
失神や転倒につながることもある
血圧の低下が大きい場合には、立っていることが難しくなったり、失神したりすることもあります。
特に高齢者で注意したいのが転倒です。
立ち上がる
↓
ふらつく
↓
姿勢を保てなくなる
↓
転倒する
という流れで転倒につながる可能性があります。
高齢者の転倒は、その場の怪我だけではなく、骨折をきっかけに活動量が減少し、ADL(日常生活動作)が低下することもあります。



そのため、起立性低血圧への対応は、転倒を予防するという意味でも重要です。
本人が「めまい」と訴えるとは限らない
介護現場では、ここを特に意識しておきたいところです。
起立性低血圧が起きても、ご利用者様が必ず、



「めまいがします」
「立ちくらみがします」
と伝えてくれるとは限りません。
例えば、立ち上がったあとに、
- 急に動きが止まる
- 顔色が悪くなる
- 反応が鈍くなる
- 身体がふらつく
- 膝がガクッとする
といった変化として現れることもあります。



「なんとなくしんどい」
「ちょっと待って」
といった曖昧な訴えにも注意が必要です。
だからこそ介助者は、言葉だけで判断するのではなく、姿勢を変えた前後でご利用者様にどのような変化があったのかを見ることが大切です。
いつもと違う様子があれば、無理に次の動作へ進まず、安全を確保して状態を確認しましょう。


高齢者に起立性低血圧が起こる主な原因
起立性低血圧が起こる原因は一つではありません。
特に高齢者では、加齢による身体の変化に加えて、水分不足や薬の影響、病気、活動量の低下など、いくつかの要因が重なって血圧を保ちにくくなることがあります。
「立つとふらつく=年齢のせい」と考えるのではなく、その背景に何があるのかを考えることが大切です。
加齢による血圧調節機能の変化
私たちの身体には、立ち上がったときに血圧が大きく下がらないように調節する仕組みがあります。
立ち上がると重力によって血液が下半身に移動しますが、通常は自律神経が働いて血管を収縮させたり、心拍を調節したりすることで血圧を保とうとします。
しかし、年齢を重ねると、こうした姿勢の変化に対する血圧調節が十分に働きにくくなることがあります。
そのため、寝た状態から急に起き上がったり、長時間座ったあとに立ち上がったりすると、血圧の調節が追いつかず、めまいやふらつきにつながることがあります。



ここで覚えておきたいのは、「高齢だから血圧が低い」のではなく、姿勢変化に対する血圧調節がうまくいかないことがあるという点です。
脱水や水分不足
起立性低血圧を考えるうえで、脱水や水分不足にも注意が必要です。
身体の水分が不足すると、血液量も減少し、立ち上がったときに血圧を維持しにくくなることがあります。
特に高齢者では、水分摂取量が少なくなっている場合もあります。
さらに、
- 暑い時期にたくさん汗をかいた
- 食事や水分が十分に摂れていない
- 発熱している
- 下痢や嘔吐が続いている
といった状況では、脱水のリスクが高まります。
普段は問題なく立てている方が急にふらつくようになった場合には、



「今日は水分をどれくらい摂れているだろう?」
と考える視点も大切です。
ただし、心臓や腎臓の病気などによって水分摂取量に制限がある方もいるため、自己判断で水分量を増やすのではなく、必要に応じて医師や看護師などに確認しましょう。
薬の影響
服用している薬が、起立性低血圧に関係していることもあります。
例えば、降圧薬や利尿薬などは血圧や体内の水分量に影響するため、状況によっては立ち上がった際の血圧低下に関係することがあります。
また、高齢者では複数の薬を服用していることも多いため、薬の種類だけでなく、組み合わせや服用する時間なども含めて確認が必要になる場合があります。
介護現場で大切なのは、



「この薬が原因だからやめよう」と判断しないことです。
薬にはそれぞれ必要な目的があり、自己判断で中止すると別の問題につながる可能性があります。
立ち上がるたびにふらつくようになった、薬が変更されてから症状が目立つようになったなど、気になる変化があれば、症状が起きた時間や状況を記録し、医師・看護師・薬剤師へ共有することが大切です。
病気や身体機能の低下が関係することもある
起立性低血圧には、自律神経の働きに影響する病気などが関係している場合もあります。
また、病気そのものだけでなく、長期間ベッドで過ごしていたことによる身体機能の低下にも注意が必要です。
入院や安静によって横になっている時間が長くなると、活動量が減少し、身体が立位などの姿勢変化に適応しにくくなることがあります。
特に、
病気・入院
↓
長期間の安静
↓
活動量の低下
↓
身体機能の低下
↓
起きる・立つことがさらに大変になる
という悪循環には注意が必要です。
身体を使わない状態が続くことで起こるさまざまな機能低下は、廃用症候群と呼ばれます。
このように、高齢者の起立性低血圧には、加齢だけでなく、水分状態、服薬、病気、活動量などさまざまな要因が関係します。



だからこそ、ふらつきがみられたときは「血圧が低かった」という結果だけではなく、その日の体調や生活状況まで含めて原因を考えることが重要です。
起立性低血圧が起こりやすい場面
起立性低血圧は、いつでも同じように起こるとは限りません。
ご利用者様の体調や水分状態、その直前までどのような姿勢で過ごしていたかなどによって、症状が現れやすい場面があります。
介護では「立ち上がったらふらついた」という瞬間だけを見るのではなく、その前に何をしていたのかまで振り返ることが大切です。
朝起きてベッドから立ち上がるとき
特に注意したいのが、朝の離床時です。
夜間は長時間横になっているため、起床後にベッドから起き上がり、そのまますぐ立ち上がると、急激な姿勢変化に身体の血圧調節が追いつかないことがあります。
普段は一人で歩けるご利用者様でも、朝だけ「少しフラフラする」と訴えることもあります。
そのため、起床時は、
臥位 → 起き上がる → 端座位 → 立位
と段階的に姿勢を変え、状態を確認しながら次の動作へ進むことが大切です。



特に端座位になったときに、めまいやふらつき、顔色の変化などがないか確認しておきましょう。
トイレや入浴など生活場面でも注意する
起立性低血圧に注意するのは、朝の離床時だけではありません。
介護現場では、トイレや入浴など日常生活のさまざまな場面で姿勢を変える機会があります。
例えば、長時間椅子に座ったあとに立ち上がるときや、トイレで座った状態から立つときなどです。
また、入浴では温熱によって血管が広がり、血圧が低下しやすくなることがあります。そのため、浴槽から出た直後などに立ちくらみやふらつきがみられる場合には注意が必要です。
体調不良や水分摂取量が少ない日なども、いつもと同じように動けるとは限りません。
大切なのは、



「いつも立てているから今日も大丈夫」と決めつけないこと。
立ち上がりそのものだけではなく、直前まで何をしていたのか、その日の体調はどうなのかまで含めて見ることが安全な介助につながります。
食後のふらつきは「食後低血圧」の可能性もある
高齢者では、食事のあとに血圧が低下する「食後低血圧」がみられることもあります。
食後は消化のために消化管へ血流が多く送られます。本来は血圧を維持するための調節が働きますが、それが十分でない場合には血圧が低下することがあります。
そのため、



「昼食後に立つといつもふらつく」
「食事のあとだけ眠そうで元気がない」
など、食事との時間的な関係にも目を向けてみましょう。
ただし、食後低血圧と起立性低血圧は同じものではありません。
食後低血圧は食事に伴う血圧低下、起立性低血圧は姿勢を起こすことに伴う血圧低下という違いがあります。
実際には両方の要素が重なることもあるため、症状が繰り返される場合には「ふらついた」という事実だけではなく、いつ・どんな場面で起きたのかを記録して医療職へ共有することが大切です。
起立性低血圧の介護で大切な5つのポイント
起立性低血圧のあるご利用者様を介助するとき、大切なのは「立たせないこと」ではありません。
必要以上に離床を避けてしまえば、活動量の低下につながる可能性があります。一方で、症状がある状態で無理に動いていただくことも危険です。
重要なのは、姿勢を変えたあとの身体の反応を確認しながら、安全に次の動作へ進むことです。
① 急に立ち上がらず段階的に姿勢を変える
まず意識したいのが、一気に立ち上がらないことです。
特に朝の離床時や長時間横になっていたあとは、
寝る
↓
起きる
↓
端座位になる
↓
立ち上がる
というように、段階的に姿勢を変えていきます。



ここで大切なのが、端座位を単なる通過点にしないこと。
ベッドの端に座っていただいたら、すぐに立ち上がるのではなく、
- めまいはないか
- 顔色に変化はないか
- 表情はいつも通りか
- 呼びかけへの反応はどうか
- 座位を安定して保てているか
などを確認します。
必要に応じて血圧を確認し、普段と違う様子があれば無理に次の動作へ進まないことが大切です。



「ゆっくり起こす」だけではなく、姿勢を変えるたびに状態を確認する。
この視点を持っておきましょう。
② 立ち上がった直後にすぐ歩き始めない
ご利用者様が立ち上がれたからといって、そのまますぐ歩き始めるのも注意が必要です。



立ち上がり動作ができることと、立位を安定して保ち、安全に歩けることは別の話だからです。
介助者が



「立てましたね。では行きましょう」
と、そのまま歩き始めてしまうと、数秒後にふらつきが現れることもあります。
立ち上がったら、まずその場で、
身体が左右に揺れていないか、膝が不安定になっていないか、表情や反応に変化がないか
などを確認します。
そして、安定して立っていられることを確認してから次の動作へ進みます。



「立てた=歩いて大丈夫」ではありません。
立った“あと”まで見ることが、安全な移動介助では重要です。
③ 症状が出たら無理に歩かせない
立ち上がったあとにめまいやふらつきが現れた場合は、無理に歩行を続けないことが大切です。



「少し歩けば慣れるでしょう」
「いつも歩けているから大丈夫」
と、そのまま移動を続けると、転倒につながる危険があります。
まずは転倒しないように支え、安全に座れる場所があれば座っていただくなど、安全を確保して状態を確認します。
症状が強い場合や改善しない場合、意識状態に変化がある場合などは、施設や事業所の手順に沿って看護師や医師などへつなげます。



リハビリやADL維持のために身体を動かすことは大切ですが、体調が悪いときまで無理に動くことが自立支援ではありません。
その日の状態に合わせて介助方法を変えることも必要です。
④ 水分摂取や体調の変化にも目を向ける
起立性低血圧への対応というと、「立ち方」ばかりに意識が向きやすいですが、日頃の体調を確認することも重要です。
例えば、
- 今日は水分をあまり摂っていない
- 食事量が少ない
- 発熱している
- 下痢や嘔吐がある
- 睡眠不足で体調が悪い
- 暑い環境で汗を多くかいている
といった変化があれば、普段より血圧が不安定になる可能性があります。
特に「昨日までは大丈夫だったのに、今日はよくふらつく」という場合には、いつもと違うことがなかったかを確認してみましょう。



ただし、水分不足が疑われるからといって、すべての方に大量の水分摂取を促せばよいわけではありません。
心臓や腎臓の状態などによって水分制限が必要な方もいます。
水分摂取についても、その方の疾患や医療上の指示を確認したうえで対応することが大切です。
⑤ いつ・どんな場面で起きたかを多職種で共有する
そして、介護現場でぜひ意識してほしいのが情報共有の具体性です。
例えば、



「今日、○○さんがふらついていました」
だけでは、原因を考えるための情報が十分ではありません。
できれば、



「朝食前、ベッドから端座位になった直後にめまいを訴えました」
というように、症状が起きた状況まで伝えます。
さらに可能であれば、
- 何時ごろだったか
- どの姿勢で起きたか
- 血圧はどうだったか
- どんな症状だったか
- どのくらい続いたか
- 食事や水分は摂れていたか
- 服薬との時間関係
- 直前まで何をしていたか
なども確認しておくと、原因を考える材料になります。
介護職やご家族が日常生活の中で気づいた変化を、看護師や医師、PTなどへつなげることで、より適切な対応を検討しやすくなります。
起立性低血圧への介護で大切なのは、単に「ゆっくり立たせること」だけではありません。
姿勢を変える → 状態を見る → 安全を確認する → 次の動作へ進む。
この一連の確認を習慣にすることが、ご利用者様の転倒を防ぎ、安全に活動を続けるための支援につながります。


起立性低血圧への対応で注意したいこと
起立性低血圧への対応では、ふらつきを防ぐことだけでなく、症状の原因を安易に決めつけないことも大切です。
高齢者のふらつきにはさまざまな原因が考えられます。「いつものこと」と判断せず、普段との違いに目を向けながら対応しましょう。
「高齢だからふらつく」と決めつけない
高齢者が立ち上がったときにふらつくと、



「歳だから仕方ない」
「足の筋力が落ちたのかな」
と考えてしまうことがあります。
もちろん、筋力やバランス能力の低下がふらつきに関係することもあります。しかし、ふらつき=筋力不足とは限りません。
起立性低血圧だけでなく、脱水や薬の影響、体調不良、病気など、さまざまな原因が隠れている可能性があります。
特に、これまで問題なく動けていたご利用者様に急な変化がみられた場合には注意が必要です。
「高齢だから」「筋力が弱ったから」で終わらせず、いつから、どんな場面で起きているのかを確認することが原因を考える手がかりになります。
無理に立たせたり歩かせたりしない
リハビリやADLの維持を考えると、身体を動かす機会を確保することは大切です。
しかし、



「リハビリになるから」
「昨日も歩けていたから」
「いつも一人で歩いているから」
という理由だけで、その日の状態を確認せずに動いていただくのは避けましょう。
高齢者の体調は毎日同じとは限りません。
普段できている動作でも、めまいやふらつきが強いときには転倒につながる可能性があります。
できる能力があることと、今その動作を安全に行えることは別です。



その日の表情や反応、症状などを確認し、必要に応じて介助量や活動内容を調整することが大切です。
繰り返す場合や失神した場合は医療職へ相談する
立ち上がったときの軽いふらつきが一度あっただけであれば、休むことで落ち着く場合もあります。
一方で、
- ふらつきを何度も繰り返す
- 症状が強くなっている
- 失神した
- 転倒した
- 普段とは明らかに様子が違う
といった場合には、介護現場だけで原因を判断せず、医療職へつなげることが重要です。
また、
- 意識が戻らない
- 胸の痛みや息苦しさがある
- ろれつが回らない
- 片側の手足が動かしにくい
など、緊急性が疑われる症状がある場合には、起立性低血圧だと決めつけず、施設や事業所の緊急時対応に従って速やかに対応しましょう。



介護職やご家族だからこそ気づけるのは、「いつもとの違い」です。
その変化を見逃さず、必要なときに看護師や医師などへつなぐことも、安全な介護の大切な役割です。
まとめ|起立性低血圧は「立った後の変化」を見ることが大切
起立性低血圧は、寝た状態や座った状態から身体を起こしたときに血圧が低下する状態です。
高齢者では、加齢による血圧調節機能の変化だけでなく、水分不足や薬、病気、活動量の低下など、複数の要因が重なって起こることがあります。
めまいや立ちくらみ、ふらつきが代表的ですが、症状が強い場合には失神や転倒につながることもあります。



だからこそ、介護現場でも起立性低血圧について正しく理解しておくことが大切です。
起立性低血圧の症状と原因を理解しよう
起立性低血圧への対応で大切なのは、単に「血圧が低い」という数字だけを見ることではありません。
いつ、どのような姿勢で、どんな症状が現れたのか。
さらに、その日の水分摂取量や体調、服薬などにも目を向けることで、原因を考えるための大切な情報になります。



「高齢だから」
「足腰が弱ったから」
と決めつけず、普段との違いを見つけたら、多職種で共有していきましょう。
「立てた」だけで安心せず、その後の状態を見よう
介助で大切なのは、「立たせること」だけではありません。
- ベッドから起き上がれた。
- 椅子から立ち上がれた。
そこで介助を終えるのではなく、その後の表情やふらつき、立位の安定性まで確認することが大切です。



「立てたか」だけではなく、「安全に立ち続けられるか」「安全に次の動作へ進めるか」を見る。
そして症状があれば、無理に次の動作へ進まない。
こうした一つひとつの確認が転倒を防ぎ、ご利用者様が安心して身体を動かし続けるための支援につながります。
立った瞬間ではなく、立った“あと”まで見る。
ぜひ、日々の介助で意識してみてください。









コメント