■ 生活介護の夕方支援、延長支援加算の拡充案
厚生労働省は2026年10月22日公表の第66回「障害福祉報酬改定検討チーム」の資料で、生活介護の延長支援加算の評価を拡充する方向性を示した。特別支援学校等の卒業後、夕方以降の居場所や預かりのニーズに対応し、家族負担の軽減も含めて支援の在り方を検討する。2027年度障害福祉報酬改定に向けた案であり、拡充の決定ではない。
■ 卒業を境に変わる支援時間と活動内容
資料では、学齢期には特別支援学校等への通学と放課後等デイサービス等を通じて、夕方も含む見守りや余暇活動、学習、社会参加の機会が確保されていると整理した。一方、卒業後に利用する生活介護は、サービスの提供時間や活動内容が異なる。特に働いている家族等から、夕方以降の受け皿をめぐる課題が示されている。
学校で得られていた人との交流を含め、生涯学習の機会が卒業後に十分確保されないとの指摘も挙げた。今回の論点は、単に利用時間を延ばすことだけでなく、学齢期から成人期へ支援をどうつなぐかにある。
■ 重度障害者への評価と事業所間連携も検討
延長支援加算については、強度行動障害の状態にある人や医療的ケアが必要な人など、重度障害者への評価の拡充も検討する案である。また、生活介護と日中一時支援事業所等の利用に当たり、連携して支援する場合に新たな評価を設け、切れ目のない支援体制づくりを促す方向性も示した。
生活介護事業所での生涯学習の実施を、努力義務として位置付けることも提案している。現時点で新たな義務が課されたわけではなく、実施内容や評価の具体化は今後の検討事項となる。
■ 現行加算の時間要件と改定案を区別
資料に掲載された現行の延長支援加算は、所要時間8時間以上9時間未満の生活介護の前後に日常生活上の世話を行い、通算9時間以上となる場合の評価である。施設入所者は対象外で、施設基準への適合や届出、延長時間帯の職員配置などの要件がある。
所要時間は生活介護計画上の時間ではなく、実際にサービスを提供した時間を指す。原則として送迎だけを行う時間は含まれない。これらは資料が紹介した現行の取扱いであり、今回新しく設ける条件ではない。
■ 新たな単位数や時間区分は未提示
今回の検討の方向性には、拡充後の加算単位数や時間区分、連携に対する新評価の具体的な算定要件は示されていない。事業所が家族への案内や提供体制を検討する際は、現行制度で利用できる支援と、今後の改定で検討する内容を分けて確認する必要がある。対象は障害福祉サービスの生活介護であり、高齢者向けの通所介護の改定案ではない。
出典:厚生労働省「第66回 障害福祉報酬改定検討チーム」資料(2026年10月22日)、生活介護・論点3及び延長支援加算、資料記載63〜64頁
