障害福祉関係8団体が10月19日に公表した調査で、2026年6月単月の経営状況が赤字だった事業所の割合は54.8%となった。賃上げが進む一方、食費などの負担が増している実態も示され、8団体は国に処遇改善や物価高騰対策の拡充を求めている。
「障害福祉分野の幅広い職種の賃上げ及び障害福祉事業所の経営状況等調査」は、9月18日から10月5日に実施し、1,731事業所から回答を得た。
■ 赤字率は前年同月より2.7ポイント上昇
調査資料に示された赤字事業所の割合は、2025年6月が52.1%、2026年6月が54.8%で、2.7ポイント上昇した。
この数値は、それぞれ6月単月の経営状況についての回答である。年間の決算結果や、2026年度全体の赤字率を示したものではない。
■ 賃上げは進む一方、運営費の負担も増加
2026年度の正社員1人当たりの賃上げ額は、平均月額13,433円だった。このうち、給与水準そのものを引き上げるベースアップ分は8,312円となった。
一方、2026年6月の給食関係費は、1事業所当たりの平均月額で、材料費122.5万円、調理員人件費104.7万円、給食業務委託費199.6万円だった。資料では、いずれも前年、前々年の同月より増えている。
これらは項目別の集計であり、単純に合計して「全事業所が毎月負担する給食費」と捉えることはできない。
■ 入所施設では食費・光熱水費が基準費用額を上回る
施設入所支援を実施する施設と福祉型障害児入所施設では、利用者1人当たりの平均月額は、食費43,607円、光熱水費18,521円だった。
発表資料は、両平均の合計62,128円が国の基準費用額55,500円を上回り、不足分を施設が持ち出していると指摘している。
なお、この平均は著しく高額・少額な回答を除いて算出されており、食費と光熱水費では集計対象の回答数も異なる。
■ 8団体が処遇改善と物価高対策を要望
日本知的障害者福祉協会や全国社会福祉法人経営者協議会などの8団体は、調査結果を踏まえ、報酬等の引き上げ、食費などへの財政支援、賃金・物価に連動する報酬の仕組み、施設整備支援の強化を要望した。
これらは団体から国への提言・要望であり、支援の拡充や報酬の引き上げが決定したわけではない。
今回の回答事業所は、経営主体の87.6%を社会福祉法人が占める。調査結果を読む際には、この回答構成を踏まえ、全国すべての障害福祉事業所の状況と同一視しないことが必要だ。
詳しい結果は、全国社会福祉法人経営者協議会の公式発表と添付の調査資料で確認できる。
