仙骨座り
ひとことでいうと
仙骨座り
仙骨座りとは、骨盤が後方へ傾き、お尻が座面の前方へずれた状態で座っている姿勢をいいます。
車椅子などでみられることが多く、お尻が前方へ滑り、背中が丸くなって背もたれにもたれかかるような姿勢になるのが特徴です。重度要介護者を対象とした報告でも、骨盤後傾と脊柱後弯を伴う姿勢として仙骨座りが扱われています。
仙骨座りになると、通常の座位とは身体を支える位置が変わり、仙骨・尾骨周辺に圧やずれ力が加わりやすくなります。実際に、骨盤の後傾角度が大きくなるほど仙尾骨部にかかる垂直方向・水平方向の力が増加した研究があります。
そのため、「少し姿勢が崩れているだけ」と考えず、なぜ仙骨座りになっているのかを確認することが重要です。
なぜ仙骨座りになる?
仙骨座りには、一つではなくさまざまな要因が関係します。
筋力や座位バランスが低下して自分で姿勢を保ちにくい場合や、疲労によって徐々に姿勢が崩れる場合があります。
また、ご利用者様の身体に対して車椅子の座面が合っていない、フットサポートの位置が適切でない、クッションや背もたれが身体に合っていないなど、車椅子や座位環境が影響している場合もあります。
したがって、仙骨座りがみられたときに単純に身体を後方へ戻すだけでは、再び同じ姿勢になることがあります。
身体機能・車椅子・クッション・座り方・活動状況などを含めて原因を考えることが大切です。
現場で知っておきたいポイント
仙骨座りで特に注意したいのが、仙骨・尾骨周辺にかかる圧とずれです。
骨盤後傾が大きくなるにつれて仙尾骨部にかかる力が増えることが報告されており、褥瘡を考えるうえでも見逃せない姿勢です。
また、影響するのは皮膚だけではありません。標準型車椅子で基本座位と仙骨座りを比較した研究では、仙骨座りで上肢課題の所要時間が長くなり、上肢機能を発揮しにくくなる可能性が示されています。
介護現場では、仙骨座りを見つけるたびに力任せに身体を引き上げるのではなく、必要に応じて座り直し介助を行うとともに、「なぜ前へずれてしまうのか」まで考えることが重要です。
繰り返す場合は、車椅子の寸法やクッション、フットサポートなどの調整も含め、理学療法士・作業療法士や福祉用具専門相談員などと一緒に座位環境を見直しましょう。
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参考情報・参考文献
朝比奈彩子・臼倉京子「標準型車椅子上での仙骨座り姿勢が上肢機能に及ぼす影響」保健医療福祉科学
2020年 第9巻 1-6頁
参照日:2026年9月8日
小原謙一ほか「座位姿勢の変化と臀部にかかる力の研究」日本義肢装具学会誌
2013年 第29巻 第3号 168頁〜
参照日:2026年9月8日
「重度要介護者の仙骨座りを改善するボディメカニクスを応用した動作練習の効果」理学療法学Supplement
2006年
参照日:2026年9月8日
