膝折れ
ひとことでいうと
膝折れ
膝折れ(ひざおれ)とは、立ち上がりや立位、歩行などで脚に体重をかけたときに、膝が急に曲がり、下肢で身体を支えられなくなる状態を指します。「膝崩れ」などと表現されることもあります。
介護現場では、ベッドや車椅子から立ち上がった直後、移乗中の方向転換、歩き始めなどでみられることがあります。突然膝が「ガクッ」と曲がることがあるため、転倒や転落につながる危険性があります。
膝折れは単に「脚の筋力が弱いから起こる」とは限りません。筋力低下のほか、膝関節の痛みや疾患、神経障害、麻痺、姿勢や体重移動など、さまざまな要因が関係します。
そのため、膝折れが起きた場面や身体の状態を確認し、原因に応じた対応を考えることが重要です。Kaigo Skillsの既存記事でも、筋力低下だけでなく複数の要因から膝折れを考える必要性を解説しています。
なぜ膝折れが起こる?
膝折れにはさまざまな原因がありますが、一つは膝を伸ばして身体を支えるための筋力が十分に発揮できないことです。特に立ち上がりや立位では、下肢に体重がかかるため、膝を支えきれないと膝折れにつながります。
また、脳卒中などによる麻痺や神経障害、膝関節の痛みや疾患などが影響する場合もあります。
さらに、身体機能だけでなく、立ち上がるときの姿勢や足の位置、体重移動、介助のタイミングなどによって膝が不安定になることもあります。Kaigo Skillsの移乗介助の記事でも、前傾や重心移動、膝の安定性が立ち上がり・移乗の重要なポイントとして扱われています。
膝折れを繰り返す場合には、「筋力が弱いから」と決めつけず、どの場面で、どのように膝折れが起きているのかを確認することが大切です。
現場で知っておきたいポイント
膝折れは突然起こることがあるため、介助者は**「以前立てたから今回も大丈夫」と判断しないこと**が重要です。
立ち上がった直後や移乗中、歩き始めなどでは、膝が安定して身体を支えられているかを確認してから次の動作へ進みます。
膝折れの危険性がある方では、状態に応じて膝を支える「膝ロック」などの介助方法が用いられることがあります。Kaigo Skillsでも、膝ロックは膝の不安定さを防ぎ、膝折れを予防する目的で使用する介助技術として解説しています。
ただし、膝を強く押さえ込めばよいわけではありません。本人の残っている力を活かしながら、安全に身体を支えられる方法を選ぶことが大切です。
膝折れが新たに出現した、頻度が増えた、痛みや腫れを伴うなどの変化がある場合は、原因を確認するために医師や理学療法士などの専門職へ相談します。
参考情報・参考文献
深田亮・村田淳「大腿神経完全麻痺に伴う膝折れに対し,スクワット運動と半歩荷重肢位のステップが有効であった1例」理学療法の科学と研究
2020年 第11巻 第1号 11_23-11_28頁
参照日:2026年9月7日
箕島佑太ほか「不全対麻痺者に両側短下肢装具を作製し、立脚後期に起こる膝折れに対して足底面の工夫を行った症例」第51回近畿理学療法学術大会
2011年
参照日:2026年9月7日
