チェーン・ストークス呼吸

(ちぇーんすとーくすこきゅう)とは?
Cheyne–Stokes respiration
(チェーン・ストークス・レスピレーション)
別名・関連する表現:周期性呼吸

ひとことでいうと

チェーン・ストークス呼吸は、浅い呼吸が次第に深く大きくなり、再び浅くなった後に無呼吸または低呼吸を挟む周期的な呼吸です。心不全や中枢神経系の病気などに関連し、呼吸の大きさが繰り返し変化することが特徴です。

チェーン・ストークス呼吸

(ちぇーんすとーくすこきゅう)の意味

チェーン・ストークス呼吸(Cheyne–Stokes respiration)は、呼吸の深さが徐々に増してから減り、無呼吸または低呼吸を挟む周期性呼吸です。単に呼吸数が多い、あるいは一時的に呼吸が止まる状態とは異なり、呼吸の振幅が増減する特徴的な周期を繰り返します。睡眠中に観察されることもあります。

呼吸の調節には血液中の二酸化炭素の変化に対する反応が関わっています。心不全などで呼吸調節が不安定になると、換気が過剰になる時期と不足する時期が交互に生じ、周期的な呼吸パターンにつながることがあります。心不全、脳血管障害、中枢神経系の障害などと関連する場合がありますが、この呼吸だけで原因を確定することはできません。

専門資料の解説では、呼吸が小さい状態から大きくなり、その後小さくなって呼吸停止を挟む周期が示されています。無呼吸の時間や周期の長さには幅があり、短時間の観察だけでは特徴を捉えにくい場合もあります。呼吸の増減と停止の繰り返しを記録することが重要です。

終末期にも異常な呼吸パターンがみられる場合がありますが、チェーン・ストークス呼吸だけで死期や苦痛の程度を断定することはできません。本人の意識、表情、呼吸困難、酸素化などを総合して医療職が評価します。急に呼吸状態が変化した場合は速やかな連絡が必要です。

現場での観察と注意点

観察時は胸腹部の動きを見ながら、呼吸が小さい状態から大きくなり、再び小さくなるかを確認します。一回の無呼吸だけで判断せず、周期性の有無に注目することがポイントです。呼吸数を数えるだけでは、深さの変化が記録から抜け落ちることがあります。

睡眠中に気づいた場合は、寝ている姿勢、いびき、無呼吸の前後の呼吸の変化、起床時の様子を記録します。心不全のある人では、むくみ、体重増加、起座呼吸など、循環状態の変化と合わせて情報共有すると役立ちます。

呼吸の周期があるからといって、本人が必ず強い苦痛を感じているとは限りません。逆に、呼吸の見た目が落ち着いていても苦痛がないとは断定できません。表情、発語、落ち着きのなさ、意識の変化を観察し、本人の訴えがあれば尊重します。

急な意識低下や正常な呼吸が確認できない場合は、周期を記録することより救急対応を優先します。終末期ケアでは、あらかじめ共有された療養方針と緊急時の連絡体制に沿って対応します。

現場で知っておきたいポイント

呼吸の特徴だけで病名を決めつけず、普段との違いを観察して医療職と情報を共有します。

  • 呼吸の増減を捉える:胸や腹の動きが徐々に大きくなり、その後小さくなるかを観察します。単発の深呼吸やため息との違いを意識し、可能なら複数周期の変化を記録します。
  • 無呼吸の前後を確認する:呼吸が止まって見える時間だけでなく、前後の呼吸の深さとリズムを確認します。無理に本人を動かして観察条件を変えないようにします。
  • 睡眠と覚醒を区別する:睡眠中か起きているときか、体位やいびきの有無を記録します。家族が気づいた場合は、いつから変化したかを聞き取ります。
  • 心不全の徴候も見る:既往歴がある人では、むくみ、起座呼吸、急な体重変化などを併せて確認します。呼吸パターンだけで心不全の悪化を断定しません。
  • 苦痛と緊急性を判断する:意識、表情、呼吸困難、SpO₂などを総合して観察します。反応がなく正常な呼吸がない場合は救急要請と蘇生手順を優先します。

観察時刻、呼吸の変化、意識や症状、連絡内容を記録します。緊急時には記録より安全確保と救急対応を優先してください。

関連する用語

参考情報・参考文献

Central Sleep Apnea (CSA)
MSD Manual Professional Edition。呼吸の漸増・漸減と無呼吸、心不全や神経疾患との関係。
https://www.msdmanuals.com/professional/pulmonary-disorders/sleep-apnea/central-sleep-apnea-csa
参照日:2026年10月25日

Prediction Models for Impending Death Using Physical Signs and Vital Signs in Noncancer Patients: A Prospective Longitudinal Observational Study
Hosoi Tほか/Palliative Medicine Reports(Mary Ann Liebert/SAGE)。終末期の呼吸徴候と予後予測の限界を検討した前向き観察研究。
https://journals.sagepub.com/doi/10.1089/pmr.2021.0029
参照日:2026年10月25日

Changes in the last hours and days of life
NHS。終末期の呼吸変化、苦痛への配慮と家族への支援。
https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/end-of-life-care/your-wellbeing/changes-in-the-last-hours-and-days/
参照日:2026年10月25日

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