防災支援を手掛けるFireRescuePRO(仙台市)は、高齢者施設を対象に、火災時の煙対策を施設ごとに設計・評価する民間認定サービス「火事の煙を止める。逃げ遅れゼロ認定」を開始した。
同社の発表資料によると、建物の構造や窓、ドアなどの配置を確認し、火災発生時に職員が取るべき行動を施設ごとに決める。手順は館内への掲示などを通じて共有し、緊急時に職員が迷わず動ける体制づくりにつなげるとしている。
サービスでは、施設の図面や写真を基に煙の広がり方を分析。火災時に操作する窓やドア、その順番などを検討し、施設ごとの初動手順をまとめる。
初期の火災リスク診断は無料。より詳しい簡易診断は6万6000円から、本認定は16万5000円からで、全国の施設に対応する。価格はいずれも税込み。
自力での避難が難しい入居者が暮らす高齢者施設では、夜間など職員の少ない時間帯を想定した備えが重要になる。消防庁が自治体を通じて周知している有料老人ホームの防火対策でも、初期消火や通報、避難誘導の体制確保に加え、夜間を想定した訓練の実施が求められている。
一方、窓やドアの扱いは、火元や建物の構造によって適切な対応が異なる。同資料では、煙の拡散を防ぐため、火災が発生した部屋や階段室の防火戸を閉鎖する重要性も示されている。
施設が独自の判断で対応を変更するのではなく、消防計画や建物の防火設備、消防機関の指導との整合性を確認する必要がある。
同社は、今回の認定サービスをBCPの策定支援にも活用できるとしている。ただし、同サービスは国や自治体による公的認定ではない。
厚生労働省の介護施設・事業所向けBCP資料では、感染症と自然災害に対応した業務継続計画の策定が求められている。
今回の民間認定を取得しただけで、介護報酬上のBCP要件を自動的に満たすとは確認できない。導入する施設は、既存のBCPや非常災害対策計画との関係を整理し、必要に応じて指定権者へ確認する対応が必要となる。
今回のサービスは、介護施設の火災対策を設備の有無だけで捉えず、職員が最初に何をするかまで施設ごとに具体化する取り組み。消防計画や避難訓練と組み合わせ、実際の職員配置や建物構造に合った対応になっているかを確認することが重要になる。
