要介護
ひとことでいうと
要介護
要介護とは、介護保険制度において、日常生活を送るうえで継続して介護が必要な状態を表す言葉です。
要介護認定によって、介護の必要性に応じて要介護1・2・3・4・5の5段階に区分されます。数字が大きくなるほど、認定上は必要とされる介護の手間が大きい区分になります。
ただし、要介護度は**「歩けるか」「認知症があるか」「どんな病気なのか」だけで決まるものではありません。**
認定調査の結果などから推計される介護の手間をもとに一次判定が行われ、特記事項や主治医意見書なども踏まえて介護認定審査会による二次判定が行われます。
そのため、同じ病気がある人や同程度の身体機能に見える人でも、実際に必要となる介助や見守りなどによって要介護度が異なる場合があります。
要介護1〜5はどう違う?
要介護1〜5を判定する基準の一つに、**「要介護認定等基準時間」**があります。
これは、本人や家族が実際に介護している時間を測ったものではありません。
認定調査で確認した身体機能や認知機能、普段受けている介助などの情報から、その人の状態では統計上どの程度の「介護の手間」が必要になるのかを、時間に換算して推計したものです。
たとえば、食事・排泄・移動・清潔保持などの介助だけでなく、家事援助、認知症に伴う行動への対応、機能訓練、医療に関連する行為なども含めて推計されます。
その合計時間などをもとに、
要介護1:32分以上50分未満
要介護2:50分以上70分未満
要介護3:70分以上90分未満
要介護4:90分以上110分未満
要介護5:110分以上
といった区分で一次判定が行われます。
ここでいう「70分」や「110分」は、実際に家庭で介護している時間でも、1日に利用できる介護サービスの時間でもありません。
あくまで、全国共通の基準で要介護度を判定するために、**「介護の手間」を時間という単位で表した“ものさし”**と考えると分かりやすいでしょう。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、「要介護3だからこのくらいできないはず」と要介護度だけから本人の能力を判断しないことが大切です。
同じ要介護3でも、必要となる介助の内容は人によって大きく異なります。
身体介助を多く必要とする人もいれば、身体機能は比較的保たれていても、認知症に伴う症状によって頻繁な見守りや対応が必要な人もいます。
そのため実際のケアでは、要介護度だけではなく、ADL・IADL、認知機能、生活環境、本人の希望、家族の状況などを個別に確認することが重要です。
また、本人の状態が大きく変化し、現在の要介護度では実際の介護の必要性と合わなくなった場合には、認定の有効期間の途中でも区分変更申請が行われることがあります。
要介護度はその人自身を表す「ランク」ではなく、介護保険制度の中で介護の必要性を判断するための区分として理解しておきましょう。
参考情報・参考文献
厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
参照日:2026年9月22日
厚生労働省「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令」
平成11年厚生省令第58号
参照日:2026年9月22日
