- 量、色、粘り、におい、血液の有無を普段と比較する
- 呼吸の速さ、息苦しさ、発熱、意識状態を確認する
- 食事や水分摂取との時間的な関係を記録する
- 安楽に呼吸でき、痰を出しやすい姿勢を整える
- 強い息苦しさ、唇の色の変化、血痰、反応低下があれば速やかに医療職へ連絡する
痰
ひとことでいうと
痰
痰とは、気管や気管支などの気道から出る分泌物に、ほこり、微生物、炎症で生じた細胞などが混じり、咳とともに口から排出されるものです。健康なときにも気道では分泌物が作られますが、多くは意識せず飲み込まれています。
呼吸器の感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、肺炎などでは痰が増えたり、粘りや色が変化したりします。心不全や誤嚥に関連して痰や呼吸状態が変わることもありますが、見た目だけで原因を断定することはできません。
高齢者や麻痺のある人、体力が低下した人では、咳をする力が弱く、痰を外へ出しにくいことがあります。痰がたまると呼吸が苦しくなり、ゴロゴロという音が聞こえることもあります。
観察では、量、色、粘り、におい、血液の混入、出やすさを確認し、呼吸数、表情、発熱、酸素飽和度など全身状態と合わせます。黄色や緑色の痰だけで感染と決めつけず、普段との違いを医療職へ共有します。
吸引は医療的ケアに関わる行為であり、資格や研修、医師の指示、事業所の体制に従う必要があります。介護職が独自判断で実施せず、まず姿勢調整や口腔内の清潔保持など、役割の範囲で支援します。
痰の変化から分かること
痰が出にくいときは、覚醒状態や嚥下の安全を確認したうえで、水分摂取、室内の乾燥対策、姿勢の調整が役立つ場合があります。ただし心不全や腎機能低下などで水分量の指示がある人は、その指示を優先します。
食事中や食後に痰や咳が増える、声が濡れたように変わる場合は、誤嚥の可能性も考えます。むせがなくても誤嚥することがあるため、食事量、発熱、呼吸状態の変化を含めて観察します。
排出した痰をティッシュなどに取ると状態を確認しやすくなります。感染対策として手袋や手指衛生を適切に行い、痰のついた物品を周囲へ放置しないようにします。
現場で知っておきたいポイント
痰そのものだけでなく、呼吸と全身状態の変化を合わせて見ます。
本人が痰を飲み込んでしまう場合でも責めず、出せたときに状態を確認します。呼吸が苦しい人を無理に仰向けにせず、本人が楽な姿勢を保ちながら支援します。
参考情報・参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙と呼吸器疾患」
咳・痰などの呼吸器症状と慢性呼吸器疾患の関係を確認しました。
参照日:2026年9月24日
厚生労働省「COPDハンドブック」
痰の増加と気道の炎症、呼吸症状に関する説明を確認しました。
参照日:2026年9月24日
