肺炎
ひとことでいうと
肺炎
肺炎は、細菌やウイルスなどが肺に感染し、炎症を起こす病気です。肺で酸素を取り込む働きに影響し、発熱、咳、痰、息苦しさ、胸の痛みなどが現れます。一般的なかぜとは異なり、原因や重症度に応じた医療機関での評価と治療が必要です。
日常生活の中で発症する肺炎や、入院中に起こる肺炎などがあり、持病や生活環境も発症に関わります。高齢者では免疫や咳の力、飲み込む力の低下、低栄養などが背景となり、細菌を含む唾液や飲食物の誤嚥が原因になることもあります。
高齢者では、高熱や強い咳が目立たない場合もあります。食欲がない、ぼんやりする、動きが少ない、普段の介助が急に難しくなったといった変化が発見のきっかけになるため、熱の有無だけで判断しないことが大切です。
診断は医師が診察や胸部の画像検査、血液検査などで行い、細菌性の場合は抗菌薬が用いられます。重症度によって酸素投与や点滴、入院が必要になることもあります。治療後に食事量や活動量が落ちる方もいるため、介護・在宅支援では普段との違いを共有し、回復に合わせて食事、口腔ケア、活動を多職種で調整します。
誤嚥性肺炎との違いと予防の考え方
誤嚥性肺炎は、口の中の細菌を含む唾液や飲食物などが気道に入り、肺の感染に関わる肺炎です。肺炎は全体を指す言葉、誤嚥性肺炎は発症の仕組みに注目した言葉であり、すべての肺炎が誤嚥によるものではありません。むせが目立たない誤嚥もあるため、むせの有無だけで判断しないようにします。
予防では、口腔内を清潔に保つこと、栄養状態を維持すること、持病の管理や禁煙が重要です。食事中の姿勢や一口量、食形態は、嚥下の状態に合わせて専門職と相談します。一律に食事を細かく刻んだり、とろみを増やしたりせず、ご本人に合う方法を確認します。
ワクチンも肺炎の原因となる感染症への備えの一つです。ただし、接種すればすべての肺炎を防げるわけではありません。接種歴や対象となるワクチンについては主治医に相談し、日常の観察とケアを継続します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は肺炎の診断や治療を判断せず、普段との違いを観察・記録し、医療職へ共有します。
- 呼吸の速さ、息苦しさ、咳や痰、体温の変化を確認する
- 食事・水分量、表情、反応、活動や介助量を普段と比較する
- 変化の開始時期、観察時刻、服薬状況を記録する
- 酸素飽和度を測る場合は測定条件と普段の値も伝え、数値だけで判断しない
- 無理に歩かせる、反応が低下した方へ飲食物を口に入れる、残薬を自己判断で使う対応は避ける
食事や水分がとれない、急にぼんやりするなどの変化は、早めに看護師・医師へ相談します。治療中の安静や食事の再開は医療職の指示に合わせ、熱が下がった後も生活機能の回復を確認します。
強い息苦しさ、唇の色の変化、呼びかけへの反応低下、急激な全身状態の悪化があれば、通常の経過観察を続けず、速やかな医療評価につなげます。事業所の手順に沿って救急要請と連絡を行います。
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参考情報・参考文献
日本呼吸器学会「市中で起こる肺炎」
症状、高齢者の現れ方、診断・治療と予防を確認。
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-04.html
参照日:2026年10月4日
日本呼吸器学会「病院・介護施設などで起こる肺炎」
発症環境と治療上の背景を確認。
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-05.html
参照日:2026年10月4日
