作話

(さくわ)とは?
Confabulation
(コンファビュレーション)
別名・関連する表現:作話症状, 作話現象, Confabulation

ひとことでいうと

作話は、記憶の障害などを背景に、事実と異なる内容を意図せず話す現象です。本人には本当の出来事と感じられる場合があり、嘘と決めつけず、話の背景を理解しながら、生活上必要な事実と安全を確認します。

作話

(さくわ)の意味

作話とは、記憶の障害などに伴い、事実と異なる内容を意図的にだまそうとしているわけではなく話す現象です。英語ではConfabulationと表します。記憶の空白を埋めるような説明として現れる場合がありますが、すべてが単純な穴埋めで説明できるわけではありません。

経験していない出来事を話すだけでなく、実際の経験を別の時期や場所のこととして話すなど、内容には幅があります。質問をきっかけに生じる作話と、自発的に話す作話があり、本人が誤りに気づかず確かな記憶として捉えている場合もあります。

認知症のほか、脳卒中や頭部外傷などに伴う健忘状態でもみられます。記憶の想起、出来事の時間的な整理、内容が現実と合うかの確認など、複数の働きの障害が関わると考えられています。原因や経過はさまざまで、記憶障害がある方すべてに起こる症状ではありません。

故意の虚偽説明や創作、単なる言い間違いとは区別します。見当識障害は時間・場所・人などの把握の障害で、作話と併存する場合がありますが同義ではありません。話が事実と違うという一点だけで作話と断定せず、実際の出来事、理解、体調、経過を確認します。

事実と違う話にはどう対応する?

「昨日は職場へ行った」など、周囲の知る事実と異なる話があっても、まず本人が何を伝えたいのかを聞きます。過去の経験、不安、役割への思いが関わる場合もあります。嘘つきと責めたり、矛盾を突きつけて追及したりしないことが、安心して関われる関係を保つ基本です。

一方、すべての内容に同意する必要はありません。食事、服薬、外出、金銭など安全に関わる情報は、記録や家族・担当職員から穏やかに確認します。本人の発言と、別の方法で確認した事実を記録上も分けます。紛失や被害の訴えも、症状だからと無条件に否定せず、必要な事実確認を行います。

思い出せないことを何度も尋ねたり、答えを誘導したりする質問は避け、分からないままでも安心できる伝え方を工夫します。手帳、予定表、写真などの補助は、本人の理解や負担に合わせて選びます。話の変化が急に始まった、混乱や意識の変化を伴う場合は、いつから何が違うかをまとめて医療職へ相談します。

現場で知っておきたいポイント

話の正誤だけに注目せず、ご利用者様の思いと生活の安全を両方確かめます。

  • 傾聴:本人の話を途中で責めず、何を伝えたいのかを聞きます。故意の嘘や性格の問題と決めつけません。
  • 観察:話の内容、時刻、質問との関係、普段との違いを記録します。「作話あり」だけで済ませないようにします。
  • 確認:服薬や外出などの重要事項は、記録や関係者から確認します。発言と確認できた事実を分けて共有します。
  • 援助:答えを誘導する質問や記憶を試す質問を重ねず、予定表や実物など理解しやすい手がかりを使います。
  • 連携:困る場面と有効だった関わりを家族・医療職・リハビリ職へ伝え、記憶や理解の状態に合う方法を検討します。

本人の訴えが事実である可能性も確認します。急な混乱や体調悪化がある場合は、以前からの症状と決めつけず速やかに相談し、必要な医療評価へつなぎます。

関連する用語

参考情報・参考文献

山脇理恵ほか「脳室内出血を伴う脳梁膨大部出血後に健忘と作話を呈した1例」

確認内容:作話の非意図性、英語表記、自発作話・誘発作話と記憶・時間順序・見当識との関係。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/neuropsychology/advpub/0/advpub_17126/_pdf

参照日:2026年10月15日

国立障害者リハビリテーションセンター「主要症状、外傷性脳損傷後のMRI所見及び高次脳機能障害とICD-10の解説」

確認内容:脳損傷後の記憶障害、作話傾向がある場合に関係者の情報も用いて確認する考え方。

https://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/rikai/shoujou/

参照日:2026年10月15日

国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」

確認内容:記憶の種類・段階の評価、保たれた機能を踏まえた環境調整や外的補助具の活用。

https://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/how04/medlegal/

参照日:2026年10月15日

兼本浩祐ほか「作話と遠隔記憶」

確認内容:健忘症候群と認知症を含む状態での作話の多様性。抄録を確認。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/apr/18/3/18_3_196/_article/-char/ja/

参照日:2026年10月15日

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