脳出血
ひとことでいうと
脳出血
脳出血は、脳の中を走る血管が破れて血液が脳組織内にたまり、脳の働きが障害される病気です。脳梗塞、くも膜下出血とともに脳卒中に含まれます。出血した場所や量によって症状は異なりますが、突然の片麻痺、しびれ、言語障害、意識障害などがみられます。
主な背景には高血圧があり、長期間の高血圧によって傷んだ細い血管が破れやすくなります。抗凝固薬など出血に関係する薬、血管の病気、加齢に伴う変化が関係する場合もあります。発症時には頭部CTやMRIなどで脳梗塞との違いを確認し、出血部位や広がりを評価します。
急性期は血圧管理や全身状態の管理が行われ、状態によって外科的治療が検討されます。治療後も、麻痺、感覚障害、失語症、構音障害、高次脳機能障害、嚥下障害などが残ることがあり、早期から状態に合わせたリハビリテーションが進められます。
介護では、残っている能力と疲労しやすさを把握します。麻痺側の肩を引っ張らない、食事中のむせや姿勢を観察する、会話では返答を急かさないなど、後遺症に応じた支援が必要です。回復後も再発予防として血圧管理や服薬継続が重要です。
後遺症と生活再建
脳出血の後遺症は運動麻痺だけではありません。半側空間無視、失語症、嚥下障害、感情や意欲の変化などが生活に影響します。見た目だけでは分かりにくい障害もあるため、行動の理由を丁寧に確認します。
退院後は、起き上がり、移乗、食事、更衣、排泄などの日常生活動作を再評価し、福祉用具や住宅環境を調整します。介助しすぎると能力を奪う一方、無理をさせると転倒や疲労につながるため、リハビリ職と介助方法を共有します。
急な麻痺やろれつの回りにくさ、顔のゆがみ、意識の変化、激しい頭痛が新たに出た場合は、再発を含む脳卒中を疑い、ためらわず救急要請を検討します。
現場で知っておきたいポイント
現場では普段の動作や会話を把握し、急な変化を見逃さないことが安全につながります。
- 顔の左右差、腕や脚の動かしにくさ、言葉の出にくさ、意識状態を観察します。
- 麻痺側の肩や腕を引っ張らず、支持してから移乗や更衣を行います。
- 食事では姿勢、むせ、湿った声を確認し、誤嚥の兆候に注意します。
- 服薬や血圧測定は決められた方法を守り、自己判断で変更しません。
突然の片麻痺、言葉の障害、激しい頭痛、意識低下は緊急性の高い変化です。発症したと考えられる時刻を確認し、速やかに救急要請して医療職へ情報を伝えることが大切です。
参考情報・参考文献
国立循環器病研究センター「脳卒中」
脳出血を含む脳卒中の分類、症状、診断と治療の概要を参照しました。
参照日:2026年9月26日
日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕」
脳出血の急性期治療、再発予防、リハビリテーションに関する指針を参照しました。
参照日:2026年9月26日
