足関節拘縮
ひとことでいうと
足関節拘縮
足関節拘縮とは、足首に関わる筋肉、腱、関節包などの組織の変化によって、関節可動域が制限された状態です。自分で足を動かしにくいだけでなく、他の人がゆっくり動かしても動く範囲が狭くなる点が特徴です。
長期間の臥床や固定、麻痺に伴う動かす機会の減少などが関係します。脳卒中後などに筋肉の緊張が高い状態が続き、組織が硬くなる場合もあります。ただし、痛みや腫れで動かせない状態を、すべて拘縮と判断することはできません。
足首を上に反らす背屈が制限されると、立つときにかかとを床につけにくくなったり、すねを前に傾けにくくなったりします。立ち上がりや移乗、歩行の安定性に影響し、靴や装具の装着にも支障が生じることがあります。
つま先が下を向く尖足は足の位置を示す言葉で、足関節拘縮と同じ意味ではありません。評価では足の見た目に加えて、他動的に動く範囲、痛み、筋緊張、日常動作を確認します。介助では正常な角度に無理に合わせず、本人の状態に合う方法を専門職と共有します。
足首の動きと生活動作の関係
立ち上がりでは、足を床につけたまますねを前へ傾ける動きが必要になります。足首の背屈が不足すると、足を十分に引けない、かかとが浮くなどの変化がみられます。椅子の高さや足の位置も関係するため、動作全体で確認することが大切です。
歩行では、足首の動きに合わせて体重が足の上を移動します。動きが制限されると、歩幅や膝の使い方が変わり、足の一部に負担が偏ることがあります。車椅子でも、足台と足裏が合わず、圧迫やずれが起こる場合があります。
予防や対応には、生活の中で動く機会を確保すること、安楽な姿勢を整えること、指示された範囲での運動などがあります。装具やストレッチの方法は原因と程度によって異なり、介助者が一律に決めるものではありません。
評価結果は「足首が硬い」だけでなく、かかとが接地するか、靴が履けるか、移乗時に困るかなど生活上の変化として共有すると、具体的な支援につながります。
現場で知っておきたいポイント
足首の形だけでなく、普段の姿勢と動作を観察し、無理のない可動域に合わせて介助します。
- 立位や移乗で、かかとが床につくか確認する。
- 靴・装具・足台の当たりと皮膚の赤みを観察する。
- 足首を強く押し上げたり、反動をつけて伸ばしたりしない。
- 体位や椅子の高さ、足の位置を専門職と調整する。
- 動かせる範囲、痛み、介助量の変化を記録して共有する。
運動や装具を使用するときは、医師や理学療法士の方針に沿います。本人が痛みを訴えにくい場合も、表情や体のこわばりを確認し、痛みを我慢させて動かし続けないことが大切です。生活動作の変化があれば、本人の困りごとも聞き取ります。皮膚の弱い方では装具を外した後の状態も確認します。
急な腫れ、熱感、強い痛み、外傷後の変形があるときは、拘縮の進行と決めつけず、運動や荷重を中止して看護師・医師へ報告します。
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参考情報・参考文献
米国国立医学図書館 MedlinePlus「Contracture deformity」
拘縮の定義、原因、可動域への影響と医療者の指示に沿う対応を確認。
https://medlineplus.gov/ency/article/003185.htm
参照日:2026年10月8日
国立病院機構 松江医療センター「ボツリヌス療法外来」
痙縮と拘縮の関係、および個別評価とリハビリテーションの必要性を確認。
https://matsue.hosp.go.jp/user/senmon/botulinum/
参照日:2026年10月8日
