浸透圧性下剤
ひとことでいうと
浸透圧性下剤
浸透圧性下剤とは、浸透圧を利用して腸管内に水分を保持・移動させ、便を軟らかくして排便を促す下剤です。
刺激性下剤のように主に大腸を刺激して腸管運動を促すのではなく、便に含まれる水分を増やして排出しやすい状態にすることが大きな特徴です。
浸透圧性下剤にはいくつかの種類があり、日本で長く使用されている酸化マグネシウムなどの塩類下剤のほか、PEG(ポリエチレングリコール)製剤やラクツロースなどがあります。国内では酸化マグネシウムの使用頻度が高いことがPMDAの審査資料でも示されています。
同じ浸透圧性下剤でも薬によって作用や注意点が異なるため、「浸透圧性下剤ならどれでも同じ」というわけではありません。
酸化マグネシウムを使うときの注意点は?
酸化マグネシウムは、日本の便秘治療で広く使用されてきた塩類下剤であり、浸透圧性下剤の一つです。
腸管内の水分量を増やして便を軟らかくすることで排便を促しますが、使用時には高マグネシウム血症に注意が必要です。
特に腎機能が低下している場合には、体内に取り込まれたマグネシウムを十分に排泄できず、血中のマグネシウム濃度が高くなる可能性があります。過去には重篤な高マグネシウム血症が報告され、長期投与時などには血清マグネシウム濃度の確認を含めた注意が求められています。
そのため、酸化マグネシウムは「昔から使われている便秘薬だから安全」と一括りに考えるのではなく、年齢・腎機能・使用期間・服用量などを考慮して使用することが重要です。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、単に「下剤を飲んでいる」と記録するだけでなく、何という薬を、いつ、どのくらい使用しているのかを確認することが大切です。
特に酸化マグネシウムを使用している高齢者では、排便状態だけでなく、食事・水分摂取量、全身状態、腎機能に関する医療職からの情報なども意識しておきます。
また、薬を使用したあとの便の変化は、ブリストル便形状スケールを使って記録すると共有しやすくなります。
たとえば、
「酸化マグネシウム内服継続中」
「1日1回排便」
「BSFSタイプ4」
など、薬と排便状態を一緒に記録すると経過が分かりやすくなります。
便が軟らかくなりすぎたり下痢が続いたりしても、介助者の判断だけで薬を中止・減量せず、医師・看護師・薬剤師などへ状態を共有することが重要です。
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参考情報・参考文献
日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」
2023年7月
参照日:2026年9月19日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「モビコール配合内用剤 承認審査資料」
2018年
参照日:2026年9月19日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「酸化マグネシウム製剤の高マグネシウム血症に関する安全性情報」
参照日:2026年9月19日
