- 麻痺側の手足がベッド柵や車椅子に挟まれていないか
- 足底が床に接地し、膝が急に折れそうでないか
- 肩や手指に痛み、腫れ、皮膚の傷がないか
- 本人が麻痺側へ注意を向けられているか
麻痺側
ひとことでいうと
麻痺側
麻痺側とは、脳卒中や脊髄・末梢神経の障害などによって、筋力の低下、動かしにくさ、感覚の鈍さなどが現れている体の側を指す現場用語です。片麻痺では右半身または左半身の一方が麻痺側となり、反対側は「健側」と呼ばれます。
麻痺の程度は人によって異なり、全く動かないとは限りません。手足を少し動かせても、力加減や関節の位置が分かりにくい、疲れると動きが崩れる、痛みやしびれがあるなど、見た目だけでは分かりにくい問題を伴うことがあります。
介助では「麻痺側だから使わせない」と決めつけず、本人が安全に行える動きを生かすことが大切です。一方で、肩を強く引く、腕だけで体を支える、足部が床や車椅子に巻き込まれたまま移動する行為は、痛みやけがにつながるおそれがあります。
移乗・歩行・更衣・食事などでは、麻痺側の位置、支持性、感覚、注意の向け方を確認します。半側空間無視や高次脳機能障害を併せ持つ場合は、本人が麻痺側の手足や周囲の障害物に気づきにくいこともあるため、環境調整と声かけを個別に考えます。
麻痺側の扱い方は、病気の時期や症状、装具の有無、リハビリ方針で変わります。介護職だけで判断せず、理学療法士・作業療法士・看護師などと安全な介助方法を共有することが重要です。
麻痺側を介助するときの基本
まず姿勢と手足の位置を整え、肩・肘・手指、股関節・膝・足部に無理なねじれがないかを確認します。麻痺側上肢をつかんで引っ張ることは避けます。
移動前には本人に動作を説明し、できる部分は待って引き出します。新しい痛み、腫れ、急な筋力低下、いつもと異なるしびれがある場合は専門職へ報告します。
現場で知っておきたいポイント
介助前後に次の点を確認します。
急に麻痺が強くなった、顔のゆがみや言葉の出にくさが現れた場合は、脳卒中の可能性を考えて速やかに医療職へ連絡します。
参考情報・参考文献
厚生労働省「脳卒中」
脳卒中の症状、後遺症、生活上の注意に関する啓発資料。
参照日:2026年9月23日
厚生労働省 臨床研究情報ポータルサイト
脳卒中後の麻痺側に対する歩行練習・評価に関する研究情報。
参照日:2026年9月23日
