Barthel Index
ひとことでいうと
Barthel Index
Barthel Index(バーセルインデックス、略語BI)は、基本的な日常生活動作がどの程度自立して行えるかを把握するための評価法です。食事、入浴、整容、更衣、排便管理、排尿管理、トイレ動作、移乗、移動、階段昇降の10項目で構成されます。
標準的な100点満点の方式では、各項目の自立度に応じて点数を付け、合計0〜100点で表します。点数が高いほど基本的ADLの自立度が高いことを示しますが、点数だけで介助方法や生活上の安全性まで判断するものではありません。
評価では、できそうな能力だけでなく、実際にどの程度の介助を必要とするかを確認します。環境、補助具、介助者の関わりによって遂行状況が変わるため、測定条件や評価した時点の状況も記録します。
FIMもADLを評価する尺度ですが、項目数や採点方法、評価する側面が異なります。また、BIには改訂版や配点が異なる版があるため、経時比較では同じ版を使うことが重要です。
BIの点数が変わらなくても、介助の手順が簡単になったり、本人の負担が減ったりすることがあります。点数に表れにくい変化も大切にし、実際の生活動線や介助方法と組み合わせて支援を考えます。
合計点を生活動作の支援に結び付ける
Barthel Indexを介護計画に活かすときは、合計点から支援内容を決めず、食事や移乗などの項目別の状況を確認します。同じ点数でも、身体を支える介助が必要な人と、声かけや見守りで行える人では、準備する環境や介助者の動きが異なります。
たとえば病棟では手すりを使って移乗できても、自宅ではベッドの高さや車いすの置き方が違い、同じ動作が難しいことがあります。どこで、どの用具を使い、何を手伝ったかを記録すると、退院後に必要な支援を具体的に検討できます。
前回との比較では、採点版と評価時点を確かめます。総点が変わらなくても、移乗が改善する一方で更衣に介助が増えている場合があります。項目別の内訳と本人が困っている動作を照らし合わせ、練習する動作や福祉用具の調整を考えます。
FIMとは項目数や採点の仕組みが異なるため、両者の点数をそのまま置き換えないことが大切です。評価表の細かな判定に迷った場合は、担当のリハビリ職などと採点根拠を共有します。点数に表れない疲労や介助のしやすさも申し送ります。
現場で知っておきたいポイント
BIはADL項目ごとの介助量から判断します。
- 食事・整容:食事を口に運ぶ動作と食器の準備・片付けを混同せず、評価票が求める動作範囲に沿って判定します。整容も道具を渡せばできるのか、実際に手助けが必要なのかを確認し、点数の根拠を残します。
- 移乗の介助量:ベッドと椅子の間の移乗を観察し、見守りだけで済むのか、身体を支える介助が必要なのかを区別します。手すりや車いすの位置など環境によって結果が変わるため、使用条件も合わせて記録します。
- 歩行・車いす:歩行距離や介助の有無を評価基準に照らし、歩行できない場合の車いす移動についても採点規則を確認します。短い距離を数歩進めることと、生活で必要な移動を継続できることは同じではありません。
- 排泄管理と動作:排尿・排便のコントロールと、トイレへの移動や衣服操作は別の評価項目です。失禁の有無だけでトイレ動作全体を低く判定しないようにし、介助が必要な場面を具体的に把握します。
- 項目別の変化:合計点が同じでも、移乗が改善して更衣が難しくなるなど内訳は変化します。前回と同じ評価条件を意識して項目ごとの差を比較し、本人の生活目標や介助者の負担軽減につなげます。
採点に迷う場合はリハビリ職と根拠を共有します。FIMとは項目数や採点方法が異なるため、点数を置き換えず、それぞれの評価結果を生活支援に活かします。
もっと詳しく|関連ブログ
参考情報・参考文献
Shirley Ryan AbilityLab, RehabMeasures Database「Barthel Index」
ADL10項目、0〜100点、版による違いと利用条件を確認。
https://www.sralab.org/rehabilitation-measures/barthel-index
参照日:2026年10月21日
日本作業療法士協会/厚生労働省掲載「認知症のリハビリテーションを推進するための調査研究 報告書(Barthel Index、PDF 74ページ)」
実際に行っているADLを判定する評価指標を確認。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/92_sagyouryouhoushi.pdf
参照日:2026年10月20日
厚生労働省「第185回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)」
介護分野におけるBarthel Indexの点数と活用を確認。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14234.html
参照日:2026年10月20日
