着座介助
ひとことでいうと
着座介助
着座介助とは、立っている方が椅子やベッド、車椅子などへ安全に座るために行う介助です。
「座る」という動作は簡単に見えますが、立った状態から身体を下ろしていくためには、姿勢を保ちながら重心を移動させ、下肢の筋力を使って身体が急激に落ちないように調整する必要があります。
着座動作は、立位から重心を下方・後方へ移動させながら座位になる動作です。研究でも、安定してゆっくり座るためには下肢による身体の制御が重要であることが示されています。
高齢者や筋力・バランス能力が低下している方では、座る途中で身体を支えきれず、座面へ勢いよく倒れ込むことがあります。そのため着座介助では、本人ができる動作を活かしながら、必要な部分を介助して安全に座れるよう支援することが重要です。
立ち上がり介助とは何が違う?
立ち上がり介助と着座介助は、どちらも日常生活で繰り返される基本的な動作を支援する介助です。
立ち上がりでは、座位から身体を前方へ移動させながら重心を足部へ移し、身体を上方へ持ち上げていきます。
一方の着座では、立位から身体をコントロールしながら重心を下方・後方へ移動させ、座面へ身体を下ろしていく必要があります。着座動作は立ち上がりと並ぶ重要な基本動作で、高齢者では立ち上がり以上に難しくなる場合があることも報告されています。
そのため、着座介助を単純に「立ち上がり介助を逆再生すればよい」と考えるのではなく、座る動作に必要な身体の動きや危険性を理解して介助することが大切です。
現場で知っておきたいポイント
着座介助でまず確認したいのが、座る場所と身体との位置関係です。
椅子や車椅子が身体から離れた状態で座ろうとすると、後方へ大きく重心を移動させる必要があり、転倒につながる危険があります。座る前に座面の位置を確認し、安全に身体を下ろせる位置まで誘導します。
また、身体を急に下ろしてしまう方に対して、介助者が力だけで身体を支えようとすると、双方の負担が大きくなります。ご利用者様自身の下肢機能や支持能力を活かしながら、必要な部分だけを支えることが基本です。
車椅子へ着座するときは、ブレーキ、フットサポート、アームサポートなどの状態も確認します。
着座後も介助は終わりではありません。骨盤が浅くなっていないか、身体が大きく傾いていないか、足が安定しているかなどを確認し、安全で安定した座位につなげることが大切です。
参考情報・参考文献
妹尾浩一・内山靖「3次元動作分析による着座動作の運動学的特徴」理学療法学Supplement
2005年 第32巻 Suppl. No.2
参照日:2026年9月8日
森冴子・佐々木竜人・萩原瑠介・仲保徹「着座動作の筋電図学的解析」理学療法学Supplement
2017年 第44巻 Suppl. No.2
参照日:2026年9月8日
服部宏香ほか「高齢者の着座動作のバイオメカニクス分析」理学療法学Supplement
2014年 第41巻 Suppl. No.2
参照日:2026年9月8日
