緑内障
ひとことでいうと
緑内障
緑内障は、目から脳へ視覚の情報を伝える視神経に障害が起こる病気です。見える範囲である視野の一部が欠けたり、進行すると視力が低下したりします。多くはゆっくり進み、片方の目や残った視野で補うため、初期には本人が変化に気づきにくいことがあります。
目の中の圧力である眼圧が視神経を傷つける要因になりますが、眼圧が正常範囲でも発症する正常眼圧緑内障があります。目の中の水の出口が開いている型と閉じている型などがあり、同じ病名でも経過や治療は異なります。年齢とともに発症する人が増えます。
高齢者では、横から近づく人や障害物に気づきにくい、段差を見落とすなど、移動や生活の安全に影響することがあります。見えにくさだけでなく、何がどの位置で見えにくいかを共有することが大切です。眼科では視神経や眼圧、視野などを調べ、診断と経過の確認を行います。
一度傷ついた視神経を元に戻すことは難しく、治療は進行を抑えて残った見え方を守ることを目指します。点眼薬、レーザー、手術などから病状に合った方法を選びます。症状が乏しくても継続的な管理が必要で、介護では点眼や通院を支え、本人に合った環境を整えます。
自覚症状が少なくても治療を続ける理由
緑内障の点眼は、目の痛みやかすみをその場で取り除くためだけの薬ではありません。見え方に変化を感じなくても、眼圧を下げて進行を抑える役割があります。「効いている感じがしない」という理由でやめないよう、本人が理解できる言葉で目的を確かめます。
点眼しにくい、薬の区別がつかない、日課に組み込めないといった事情は、本人の努力だけでは解決しないことがあります。処方の内容と実施状況を整理し、医師・薬剤師・看護師へ相談します。回数や順序を介助者の判断で変更しないことが大切です。
緑内障の型によっては使えない薬があるため、ほかの診療科や薬局にも病名と治療内容を伝えます。市販薬も含めて相談し、受診の中断を防ぎます。治療と並行して、見えにくい方向を補う声かけや生活環境も本人と確認します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は見え方や生活動作の変化を観察・記録し、点眼・通院の継続を支えます。病型や治療の判断は医療職に委ねます。
- 障害物への接触、段差の見落とし、見えにくい方向や左右差を確認する。
- 移動時は声をかけ、本人が周囲を確かめる時間と安全な動線を確保する。
- 点眼の種類・指示・実施状況、入れにくさや目の不快感を記録する。
- 受診予定と薬の残量を確認し、市販薬を含む使用薬を医療職へ共有する。
- 症状がないことを理由に、点眼や通院を自己判断で中断しない。
治療の負担や困りごとは本人の意向も含めて共有し、続けやすい支援方法を相談します。普段の見え方を把握しておくことは、新しい変化に気づく手がかりになります。
強い目の痛み、急な視力低下、吐き気や嘔吐が現れた場合は、通常の経過観察を続けず、速やかに眼科などの医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
日本眼科学会「緑内障」
視神経・視野の障害、病型、症状と診断・治療の概要を確認。
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=35
参照日:2026年10月4日
日本眼科学会「緑内障治療」
治療の目的と継続の重要性、点眼・レーザー・手術の概要を確認。
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/item05.html
参照日:2026年10月4日
