逆流性食道炎
ひとことでいうと
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症や傷が生じる病気です。胸やけや、酸っぱいものが口へ上がる呑酸などがみられます。胃食道逆流症(GERD)のうち、粘膜の傷を認める状態を指し、症状だけで傷がみられないタイプとは区別されます。
食道と胃のつなぎ目の逆流を防ぐ働きが弱くなることが背景にあります。加齢、食道裂孔ヘルニア、肥満、食べ過ぎ、食後すぐに横になる習慣などが関係します。背中が曲がった姿勢や腹部の締め付けなどで逆流しやすくなることもあり、生活の状況を確認します。
胸やけ、げっぷ、胸やみぞおちの不快感のほか、喉の違和感、咳、睡眠への影響などが現れる場合があります。高齢者では症状が軽くても粘膜の障害が強いことがあり、食事量の低下や飲み込みにくさを共有することが重要です。胸痛を逆流だけのせいと決めつけてはいけません。
診断には症状の確認や内視鏡検査などを用います。胃酸を抑える薬を中心に、本人に合う食事や姿勢の工夫を行います。介護・在宅生活では食事後の過ごし方と症状の関係を記録し、受診と服薬を支えます。症状が軽くなっても薬を自己判断で中断せず、無理な食事制限を避けて医療職と相談します。
食事と姿勢の工夫は本人の状態に合わせる
食後すぐに横になる、食べ過ぎる、腹部を強く締め付けるなどは逆流を起こしやすくします。ただし高齢者では疲れや姿勢保持の難しさもあるため、「必ず座り続ける」と一律に決めず、医療職と安全な方法を相談します。
胸やけのために食事を極端に減らしません。食べた物、量、時間と症状の関係を記録し、本人で症状が出やすいものを確認します。栄養不足を防ぎながら、食べる速さや一度の量、就寝前の食事などを無理のない範囲で調整します。
夜間の症状では寝る姿勢の工夫が役立つ場合がありますが、枕だけを高くして首を曲げるなど、本人に負担のある方法は避けます。嚥下や移動の状態も踏まえ、安心して休める姿勢を相談します。症状が続く、飲み込みにくいなどの変化は、自己判断で対処し続けず共有します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は症状の原因を判断せず、食事や姿勢と体調の関係を観察・記録し、医療職へ共有します。
- 胸やけ、呑酸、げっぷ、喉の違和感と症状の時間帯を記録する。
- 食事の量・内容、食後や就寝時の姿勢との関係を確認する。
- 食事量、飲み込みにくさ、体重、睡眠や咳の変化を伝える。
- 食後の休息姿勢や腹部の締め付けを本人の状態に合わせて調整する。
- 薬の中断・追加、極端な食事制限、胸痛を逆流と決めつける対応を避ける。
生活の工夫は栄養と安全な姿勢を両立させます。飲み込みにくさ、症状の持続、食事量の低下は医療職へ相談します。
強い胸痛に冷汗や息苦しさを伴う、吐血、黒い便とふらつき、意識や反応の低下がある場合は、逆流性食道炎として経過観察せず速やかな医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
国立長寿医療研究センター「逆流性食道炎ってどんな病気?」
原因、症状、治療と高齢者の生活上の工夫を確認。
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/06.html
参照日:2026年10月5日
日本消化器病学会「健康情報誌「消化器のひろば」No.15-3」
定義、合併症と継続した治療を確認。
https://www.jsge.or.jp/citizens/hiroba/hiroba15/hiroba15_03/
参照日:2026年10月5日
