10m歩行テスト

(じゅうめーとるほこうてすと)とは?
10-Meter Walk Test
(テン・メーター・ウォーク・テスト)
【略:10MWT】
別名・関連する表現:10メートル歩行テスト、10MWT、10m歩行、10-Meter Walk Test

ひとことでいうと

10m歩行テストとは、決められた距離を歩く時間を測り、歩行速度などを把握する評価方法です。助走・減速区間を設ける方式などがあります。評価結果は単独で判断せず、本人の状態や生活場面と合わせて活用します。

10m歩行テスト

(じゅうめーとるほこうてすと)の意味

10m歩行テスト(10-Meter Walk Test:10MWT)は、一定距離の歩行に要する時間から歩行速度を算出し、移動能力の変化を把握する評価法です。リハビリテーションの経過観察などで利用されます。

歩行速度は「測定した距離(m)÷所要時間(秒)」で求め、通常はm/sで表します。例えば計測区間10mを10秒で歩いた場合は1.0m/sです。ただし、測定区間の設定によって結果の意味が変わります。

10mの歩行路全体を計時する方式のほか、前後に加速・減速区間を設け、中央6mを計時する方式もあります。測定した距離と歩行路全体の長さを混同せず、採用した方法を記録する必要があります。

通常速度か最大速度か、杖や歩行器を使用したか、靴や介助条件はどうかなどをそろえて比較します。6分間歩行試験が歩行持久力をみるのに対し、10m歩行テストは主に歩行速度に注目します。

歩行速度は体調や疲労、周囲の環境の影響を受けます。測定値だけでなく、歩行中のふらつき、歩幅、方向転換の様子なども観察すると、生活場面で必要な支援を考えやすくなります。

計測区間と速度条件をそろえて比較する

10m歩行テストには複数の測定方式があります。歩行路全体の長さと、ストップウォッチで計時する区間は必ずしも同じではありません。前後の加速・減速区間を含むのか、中央の区間だけを測るのかを、開始前に手順書で確かめます。

たとえば中央6mを計時する方法では、速度計算に使う距離も6mです。計測距離10mを20秒で歩いた場合は0.5m/秒ですが、名称だけを見て常に10mで割らないようにします。秒数とともに計測距離と速度の単位を記録すると誤解を防げます。

普段の歩きやすい速さと、安全な範囲でできるだけ速く歩く条件は分けて扱います。杖・歩行器・装具、介助の程度、履物も結果に影響します。経過を見るときは前回と同じ速度指示・補助具・介助条件を基本にし、変更があれば理由を残します。

時間が短くなっても、歩幅の左右差や足の引っかかりが増えていれば、安全性が改善したとは限りません。疲労、痛み、ふらつきなど測定中の所見を担当職へ共有します。屋外移動を検討する際は、方向転換や路面の違いなど別の場面も評価します。

現場で知っておきたいポイント

10m歩行テストでは、距離と計時方法の違いが結果に直結します。測定値を比較できるよう、

  • 計測区間:歩行路の全長と、実際にストップウォッチで計時する区間を区別します。加速・減速のための区間を設ける方式など手順に違いがあるため、採用した方法を明記して継続評価に用います。
  • 速度の指示:普段どおりの速さで歩く条件と、できるだけ速く歩く条件では結果の意味が異なります。指示した速度条件を記録し、異なる条件の測定値を同じ系列として比較しないようにします。
  • 補助具・介助:杖、歩行器、装具の使用や見守り・介助の有無によって歩行時間は変化します。安全を優先しながら、使用した補助具と支援条件を測定値に添え、次回の比較で条件差を確認できるようにします。
  • 速度の計算:歩行速度は原則として「計測距離(m)÷所要時間(秒)」で算出します。10mを20秒で歩いた場合は0.5m/秒です。計時開始・終了の位置を統一し、記録時の単位を取り違えないようにします。
  • 歩容の観察:速く歩けてもふらつきや方向転換時の危険がある場合があります。歩幅、左右差、足の引っかかり、息切れなどを併せて観察し、移動の安全性や屋外歩行の可否を速度だけで判断しません。

再測定では計測距離、速度指示、履物、補助具、介助条件をそろえます。秒数だけでなく、立ち止まった場面や痛みの有無もリハビリ職へ伝えます。

関連する用語

参考情報・参考文献

Shirley Ryan AbilityLab, RehabMeasures Database「10 Meter Walk Test」
測定方式の違い、歩行速度の計算と補助具の記録を確認。
https://www.sralab.org/rehabilitation-measures/10-meter-walk-test
参照日:2026年10月21日

Academy of Neurologic Physical Therapy「10 Meter Walk Test (10MWT), Pocket Guide」
中央6mの計時、速度指示、介助条件の記録を確認。
https://www.neuropt.org/docs/default-source/cpgs/core-outcome-measures/10mwt-pocket-guide-proof8-(2)28db36a5390366a68a96ff00001fc240.pdf?sfvrsn=e4d85043_0
参照日:2026年10月20日

Academy of Neurologic Physical Therapy「Core Outcome Measure CPG」
歩行速度などの基本評価と標準化の位置付けを確認。
https://www.neuropt.org/practice-resources/anpt-clinical-practice-guidelines/core-outcome-measure-cpg
参照日:2026年10月20日

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