6分間歩行試験(6MWT)
ひとことでいうと
6分間歩行試験(6MWT)
6分間歩行試験(Six-Minute Walk Test:6MWT)は、決められた時間内に歩けた距離を測ることで、歩行持久力や運動耐容能を把握する検査です。測定結果は6分間歩行距離(6MWD)としてメートル単位で表します。
標準的な手順では、平坦で障害物のない30mの歩行路を往復し、6分間で歩いた総距離を測定します。施設の環境や対象者の状態によって方法が異なる場合があり、比較時には歩行路の条件をそろえることが大切です。
検査前後や検査中は、息切れ、胸部症状、めまい、強い疲労などに注意し、必要に応じてSpO₂や脈拍などを確認します。胸痛や耐え難い呼吸困難などが生じた場合は、検査を中止して適切に対応します。
酸素療法中の方では酸素流量や使用機器、補助具の有無を記録します。10m歩行テストが主に歩行速度を評価するのに対し、6MWTは一定時間にわたる歩行能力を評価する点が異なります。
6分間の途中で休憩が必要になった場合は、休憩を含めて経過を記録します。距離の変化は体調や薬剤、酸素使用条件にも影響されるため、単純に数字だけを比較せず、症状の推移と併せて評価します。
歩いた距離と休憩・症状を合わせて読む
6分間歩行試験では、開始時に歩けていても後半に速度が落ちたり、息切れで休憩が必要になったりします。総距離に加え、どの時点で立ち止まったか、何を訴えたかを残すことで、買い物や通院など一定時間歩く場面の支援を考えやすくなります。
途中で休むことはできますが、休憩中も計時を続けます。休憩回数、休憩した時間、再開の有無を記録し、歩行時間だけを6分間に延長しません。検査を中止した場合は、完遂した結果と区別できるよう、中止時点と症状を明記します。
歩行路の長さや折り返し回数、声かけで距離が変わる可能性があるため、採用した標準手順をそろえます。酸素療法中は、指示された流量や機器、携帯方法を記録します。比較のために自己判断で酸素条件を変えず、変更があれば担当医療職に確認します。
胸痛、強い呼吸困難、ふらつきなどでは安全を優先して中止します。検査前後の状態や症状の回復も確認し、必要な医療対応につなげます。距離の増減だけで病状や運動の可否を決めず、本人の体調、補助具、介助条件と合わせて解釈します。
現場で知っておきたいポイント
6分間歩行試験では、歩行距離とともに症状や検査条件を記録することが重要です。安全な実施のため、
- 歩行路:6分間歩行試験では、歩行路の長さや折り返し回数が距離に影響します。使用する手順書に従って歩行路を整え、標識や折り返し位置を明確にし、前回と条件が異なる場合は必ず記録します。
- 開始前の体調:安静時の状態、胸痛、強い息切れ、めまいなどの症状を確認し、実施可否を判断します。必要なバイタルサインや酸素使用条件は施設の手順に沿って確認し、無理に開始しません。
- 規定の声かけ:検査者が励ます頻度や言葉によって歩行距離が変わる可能性があります。採用した標準手順の声かけを守り、独自の励ましやペース指示で結果を変えないようにします。
- 休憩・中止:途中で立ち止まった場合は、計時を止めずに休憩を扱い、休憩回数や症状を残します。胸痛、強い呼吸困難、ふらつきなどが出た場合は安全を優先して中止し、医療職へ報告します。
- 距離と症状:結果は6分間に歩いた総距離で示しますが、距離だけで運動耐容能の全体像を決めません。息切れ、疲労、酸素使用状況、歩行補助具などを併記し、同じ条件での変化を確認します。
記録には距離、休憩回数と時間、酸素使用条件、検査後の回復を添えます。症状が残る場合は看護師や医師に報告し、次の活動の可否を確認します。
参考情報・参考文献
Shirley Ryan AbilityLab, RehabMeasures Database「6 Minute Walk Test」
6分間の歩行距離、休憩中の計時、補助具の記録を確認。
https://www.sralab.org/rehabilitation-measures/6-minute-walk-test
参照日:2026年10月21日
American Thoracic Society「Field Walking Tests」
歩行能力評価の目的と標準的な指示の重要性を確認。
https://site.thoracic.org/assemblies/pr/outcome-measures/field-walking-tests
参照日:2026年10月20日
Academy of Neurologic Physical Therapy「6 Minute Walk Test (6MWT), Standardized Administration Protocol」
実施環境、測定手順、症状への配慮を確認。
https://neuropt-website-documents.s3.amazonaws.com/docs/default-source/cpgs/core-outcome-measures/core-outcome-measures-documents-july-2018/6mwt_protocol.pdf?sfvrsn=fc325343_2
参照日:2026年10月20日
