寝屋川市、高齢者の話し相手にAI電話|「聞きましょ課」11月から実証へ

2026.10.16
寝屋川市は高齢者の話し相手となるAI電話「聞きましょ課」と、障害福祉の相談を案内する「キキマド」の実証を11月から始める計画を発表。電話で利用できる仕組みと、人による相談対応との役割分担を整理する。

大阪府寝屋川市は2026年10月14日、高齢者との日常会話や福祉相談にAI電話を活用する実証実験を、11月から始める計画を発表した。

高齢者の話し相手となる「聞きましょ課」と、障害福祉の相談を案内する「キキマド」の二つを展開する。学研グループのGakken LXと共同開発したもので、AIによる応対と従来の職員による電話対応を併用する計画だ。

■ 高齢者の日常会話を電話で受け止める

「聞きましょ課」は、AI職員で構成する市役所の仮想組織である。利用者は話し相手を選び、趣味や健康、日々の出来事などについて会話できる。

スマートフォンのアプリではなく、電話で利用できる形を採る。日常的な話し相手を提供することで、高齢者の孤独・孤立対策につなげる狙いがある。

ただし、今回発表されたのは実証計画である。利用による孤独感の変化や、地域の支援につながった実績などの効果が確認された段階ではない。

■ 福祉相談は「キキマド」で内容を整理

福祉相談向けの「キキマド」は、障害福祉課で実証を始める予定だ。相談者との対話を通じて困り事を整理し、担当する部署や申請に必要な書類などを案内する。

日常会話を主な役割とする「聞きましょ課」に対し、「キキマド」は行政の相談窓口への案内を担う。電話での相談記録を、窓口を訪れた際の職員対応にも活用する計画である。

AIによる案内と、職員による確認・手続き対応を組み合わせることで、相談から窓口対応へのつながりを整える取り組みとなる。

■ AIと職員の対応を併用、対面支援に人材を

計画ではAIが24時間365日応対する一方、従来の職員による電話対応も続ける。

背景には、自治体の電話対応にかかる業務負担がある。AIを活用することで、限られた職員を対面での支援へ振り向けることを目指す。

実証では、電話に応答できることだけでなく、相談内容を適切に整理できるか、必要な職員対応へつなげられるかが重要になる。高齢者の話し相手としての役割と、福祉制度の案内としての役割を、それぞれ確かめる必要がある。

■ 利用条件と実証結果は今後の確認が必要

利用する電話番号は、寝屋川市のホームページで公開する予定とされている。本稿作成時点では、詳細な開始日、利用料金、実証期間などを公式資料で確認できていない。

利用を検討する際は、寝屋川市の公式サイトで案内を確認したい。相談内容の記録・利用範囲や、職員へ引き継ぐ仕組みについても、具体的な運用の確認が必要となる。

今回の取り組みは、電話という身近な手段を通じてAIを福祉分野へ取り入れる実証である。高齢者が利用しやすいか、相談支援の質を保てるか、職員の業務負担にどのような変化があるかが、今後の検証のポイントとなる。

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