厚生労働省は10月14日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、短期入所生活介護の長期利用に関する報酬を見直す案を示した。
連続31日以上の利用者について、現在の連続61日以上の利用者と同程度の報酬とすることを提案。一方、積雪期・猛暑期・農繁期などの季節的な事情による利用には、例外的に減算を適用しない仕組みも検討する。
2027年度介護報酬改定に向けた案であり、実施や具体的な条件が決まったわけではない。
■ 現行は31~60日と61日以降で扱いが異なる
要介護者が利用する短期入所生活介護では、同一事業所での長期連続利用について、次のように報酬の扱いが分かれている。
| 連続利用日数 | 現行の報酬の扱い |
|---|---|
| 31~60日 | 基本報酬から1日につき30単位を減算 |
| 61日以降 | 原則として、特別養護老人ホームの介護福祉施設サービス費・ユニット型介護福祉施設サービス費と同じ単位数 |
ただし、既に30単位の減算によって特養の報酬以下となる併設型については、61日以降にさらに単位数を下げない取り扱いがある。
また、介護保険による短期入所生活介護の連続利用は原則30日までである。ここでいう長期連続利用には、自費利用を挟みながら同じ事業所に入所し続ける場合も含まれる。「介護保険で途切れなく61日以上利用できる」という意味ではない。
■ 31日以上の長期利用を、61日以上と同程度の報酬に
今回の厚労省の分科会資料「短期入所生活介護」は、サービスの適正利用の観点から、31日以上の長期利用者についても、現在の61日以上の利用者と同程度の報酬にする案を示している。
現在の「基本報酬から30単位を引く」という扱いを、特養の報酬を基準とした扱いへ見直す方向である。
そのため、30単位の減算がなくなり、通常の基本報酬へ戻るという内容ではない。事業所の収入への影響は、事業所区分や最終的な単位数などを確認する必要がある。
■ 在宅生活を支える季節利用には例外案
厚労省は、中山間地域などで冬の間だけショートステイを利用し、在宅生活の継続につなげている事例があることも説明した。積雪期や猛暑期、農繁期など、地域の生活環境に応じた利用ニーズを踏まえるとしている。
こうした事情による中長期利用を確保するため、例外的に減算を適用しない仕組みを検討する。
短期入所生活介護を施設入所と区別し、目的に沿った利用を促す一方、地域で暮らし続けるために必要な利用にも配慮する考えだ。
ただし、季節利用であれば一律に例外となることが決まったわけではない。対象地域、利用理由、期間、判断方法などの具体的な要件は、今回の案では示されていない。
■ ケアプランと収支への影響は具体案を確認
長期利用者を受け入れる事業所や担当するケアマネジャーにとっては、報酬が変わる時点と、例外の対象となる利用の範囲が実務上の確認点となる。
今回の案は報酬の評価を見直すものであり、連続利用に関するすべてのルールを変更するものと捉えることはできない。今後の審議と告示・通知などを確認し、利用者・家族への説明や支援計画、事業所の収支への影響を検討する必要がある。
