はじめに
介護職と腰痛は切っても切れない関係です。介護の現場では、ご利用者様の移乗や体位変換、入浴介助、排泄介助など、腰への負担が大きい作業が日常的にあります。そのため、介護職員の腰痛は職業病とも言われ、腰の痛みが原因で離職してしまうケースも少なくありません。
「腰痛がつらくて、長く働けるか不安…」
「もう少し身体にやさしいアイテムがあれば…」
そんな悩みを持つ介護職のみんな様に向けて、この記事では介護現場で本当に役立つ腰痛対策として腰椎サポーターを5つ厳選してご紹介します。
現場経験のある筆者(理学療法士)ならではの目線で、「これは使える!」というものだけを紹介しています。
腰痛対策アイテムを選ぶポイントとは?
腰痛対策グッズは数多く販売されていますが、介護現場で実際に使えるアイテムを選ぶことが重要です。以下のポイントをチェックして選ぶようにしましょう。
- 長時間つけても負担にならない設計
- 動きやすく、フィット感が高い
- 腰をしっかりサポートしてくれる構造
- 清潔を保ちやすい(洗濯可、通気性良好)
- 目立ちにくく、仕事中でも装着しやすい
これらの条件を満たしていれば、仕事中の身体的負担を大きく軽減することができます。
おすすめ1:ZAMST(ザムスト)腰サポーター ZWシリーズ
特徴・メリット
- 医療従事者やアスリートにも人気の本格派サポーター
- ダブルストラップ構造で腰をがっちりサポート
- 通気性が高く、汗をかいても蒸れにくい
- サポート力や利用シーンによって選ぶことができる
- ZW-3、ZW-4、ZW-5、ZW-7とあり、サポート力は徐々に強くなる。
→個人的にはZW-5がサポート力もあり動きやすく、仕事でも使いやすいかと感じた。
- ZW-3、ZW-4、ZW-5、ZW-7とあり、サポート力は徐々に強くなる。
こんな人におすすめ
- 腰の痛みがすでに強く出ている方
- 夜勤など長時間装着が必要な方
- しっかり固定したい方に最適
👉 ZAMST ZW-5の詳細を各サイトで見る
サポーター関係はいろんなメーカーから発売されていますが、個人的には、サポーターといえば「ZAMST」って思っちゃっています。学生時代にハンドボール部に所属していましたが、チームメイトの多くがZAMSTのサポーターを使っており、すごく馴染みが深いです。今では、ゴルフのお助けアイテムにZAMSTの商品を活用させてもらっています。
おすすめ2:ミズノ 腰部骨盤ベルト
特徴・メリット
- スポーツメーカーならではの動きやすさ
- 骨盤をしっかり安定させて体幹をサポート
- 長時間の立ち仕事・移乗介助に最適
ポイント
- 骨盤のズレを整えることで、腰痛を根本からサポート
- 動作の安定感が増し、疲労軽減にもつながる
👉 ミズノ骨盤ベルトの詳細を各サイトで見る
腰の負担を軽減、仕事・日常生活を快適にサポート!
悩み解消の鍵は骨盤の安定!骨盤をグッとしっかり固定!
サイズ:S(骨盤周囲 68~75cm)、M-L(骨盤周囲 75~95cm)、LL(骨盤周囲 95~131cm)
注意:XLサイズは商品本体表記ではLLとなります。
ミズノも個人的には好きなメーカーで、スポーツメーカーだからこその安心感はありますね。スポーツメーカーということもあり、つけてみた感想としては、動きが邪魔をされないのにしっかりフィットしているって感じ。つまり動きやすいです。
おすすめ3:ファイテン メタックス腰用ベルト
特徴・メリット
- 特許技術「メタックス」加工で、筋肉をリラックス
- 締め付け感が少なく、日常使いにも◎
- シンプルなデザインで、仕事中も目立たない
- 腰痛レベルによってタイプを選ぶことができる
こんな人におすすめ
- 締め付けが苦手な方
- ユニフォームの下に装着したい方
👉 ファイテン製品の詳細を各サイトでチェック
腰の違和感を毎日サポート 長時間立ちっぱなしの方、スポーツをする機会の多い方、腰をしっかりと支えたい方に。 生地全体にムレにくく通気性に優れたメッシュ生地を採用。高密度ゴム素材の補助ベルトとステー内蔵で腰にしっかりとフィット。 さらに着脱式補助ベルトで固定力の幅広い調節が可能。
- 腰痛を予防したい、もしくは軽度の腰痛の場合はソフトタイプ。
- 痛みレベルが中等度の場合はミドルタイプ。
- かなり痛みが強い場合はハードタイプ。
腰痛レベルによって、タイプを選んで購入して下さい。
おすすめ4:山田式腰椎コルセット
特徴・メリット
- 一般医療機器として認められているので信頼性が高い
- 薄型・軽量で服の下に装着しても違和感なし
- 日常生活から軽作業まで幅広く対応可能
- 他の商品と比べて比較的安い
こんな人におすすめ
- 金額を安く抑えたい
- 腰痛サポーターってどんなものかお試しで使ってみたい方
👉 山田式腰椎コルセットの詳細を各サイトで見る
●医療現場で培われた機能性コルセットです。
●W加圧ベルトが腰全体を幅広くカバーし、W効果で強力にサポート、固定します。
●腰椎のラインに合わせた大型固定板が腰への負荷を軽減します。
●W加圧ベルトのパワーをWの滑車が確実に伝達し強力に加圧します。
YouTube「やしのきチャンネル」をご視聴いただいてる方はわかるかと思いますが、やしのきの山田とは無関係の商品ですw。ただ、親近感を覚えてくださる方は、手に取りやすい商品かなと勝手に思っていますw。
おすすめ5:バンテリンコーワサポーター 腰用 しっかり加圧タイプ
特徴・メリット
- 薬局でも手軽に購入できる人気の腰サポーター
- テーピング理論に基づいた設計で、腰全体をしっかりサポート
- ズレにくく、動きにフィットする設計で介護現場にも最適
こんな人におすすめ
- 初めて腰痛ベルトを使う方
- 仕事や家事の合間にも気軽に装着したい方
- 今すぐに使い方
👉 バンテリン腰サポーターの詳細を各サイトで見る
●クロステーピング構造:腰のねじれを制限しながら、背面の腰上部から下腹部に向けて、加圧し支えることで、腰椎から骨盤にかけてしっかりサポートします。 ●特殊形状背部ハードパネル:腰の曲線にフィットし、腰を手で支えるように腰部を効率よくサポートします。 ●V字型装着形状&アジャスタブル補助ベルト:V字型装着形状とすることで、下腹部を効果的に持ち上げることができます。補助ベルトで腰部をしっかり締め付け、固定することでズレを防ぎます。
ドラッグストアでもよく見かけるのがバンテリンのサポーターですね。馴染みがありどこでもすぐに手に入る手軽さがあるので、初めて使ってみる方や、特に今すぐ必要な方におすすめです。
おまけ:立ち仕事専用インソール(中敷き)も腰痛対策におすすめ!
今回ご紹介したのは腰椎サポーターでしたが、実は「インソール(中敷き)」も腰痛対策として非常に効果的なアイテムのひとつです。
介護現場では、ご利用者様の移乗や歩行介助などで、立ちっぱなしや長時間の歩行が日常的にあります。こうした状況では、足裏への負担が大きくなり、その衝撃が腰にまで伝わってしまうことも少なくありません。
その結果、足元のトラブル(偏平足・外反母趾・足の疲労)から、腰痛に繋がるケースもあります。
そんなときに効果を発揮するのが、足裏のアーチをしっかりサポートするインソール。クッション性やフィット感の高いものを選べば、足全体の負担を吸収し、膝や腰への負担を軽減してくれます。

ちなみに私自身は、腰痛の自覚症状はありませんが、予防目的として日常的にインソールを使用しています。特に仕事用のシューズには必ず入れており、足の裏と腰の疲労感が軽減されたことを実感しています。
加えて、私は外反母趾の傾向もあるため、その予防も兼ねて使い始めましたが、結果的に足も腰も楽になったと感じています。
腰痛対策は「今つらい人」だけでなく、「これからも長く現場で働きたい人」にとっても重要なテーマです。
インソールは手軽に始められてコスパも良く、日常使いしやすいアイテムですので、ぜひ腰椎サポーターと一緒に導入を検討してみてください。
腰痛対策としてのインソールの役割をさらに詳しく解説した記事や、実際におすすめできるインソール5選をまとめた記事も公開中です。ぜひ、こちらもあわせてチェックしてみてください!
▶︎腰痛対策に効くインソールおすすめ5選【介護職に◎】
https://kaigoskills.com/kaigo-insole-youtsuu-taisaku/
「予防」が何より大切!腰痛になる前に始めるケアの習慣
介護職における腰痛対策は、「痛くなってから対処する」のでは遅いケースも多く、何よりも大切なのは“痛くなる前の予防”です。
一度腰を痛めてしまうと、慢性的な痛みに悩まされたり、仕事のパフォーマンスが落ちたり、ある日突然ぎっくり腰になったり、最悪の場合は離職を余儀なくされることもあります。そうなる前に、日々のケアを習慣化しておくことが現場で長く働くためのカギになります。

今回ご紹介したサポーターやインソールなどの腰痛対策アイテムは、どれも実際に介護の現場で「使える」「役立つ」ものばかりです。
多くの介護職員が、腰が痛くなり始めてから対策を始めていますが、「もう少し早く取り入れていれば…」と感じる声も少なくありません。
だからこそ、「いつか痛くなるかも…」ではなく、「今のうちにケアしておこう」という意識がとても重要です。
日頃から身体に気を配り、少しでも腰への負担を軽くする工夫をしていくことで、結果的に自分の身体を守り、ご利用者様に対してもより質の高いケアが提供できるようになります。
自分に合ったアイテムを見つけて、“働きながら予防する”スタイルを今日からスタートしてみてください。
未来の自分のために、小さな対策から始めていきましょう!
腰痛対策には「筋力づくり」も効果的!
腰痛サポーターでサポートするだけでなく、腰回りの筋力を鍛えることも長期的な腰痛予防に繋がります。腰痛サポーターを長時間の着用し続けることは筋力低下の原因になることあります。そうならないためにも、特に腹筋・背筋をバランスよく強化することで、腰にかかる負担を日常的に軽減できるようになります。
腰痛予防におすすめ!超簡単トレーニング
ここでは、運動が苦手な方や時間がない方でも取り入れやすい超簡単な筋トレを2つ紹介します。1日5分からでもOKなので、ぜひ試してみてください。
✅ 寝ながらできる「ドローイン」(インナーマッスル強化)
- 仰向けに寝て、膝を立てます。
- 鼻から深く息を吸います。
- 口をすぼめてゆっくり息を吐きます。
- 息を吐きながら、お腹を凹ませていき、腰の浮いている部分を床に押し付けていきます。
➡ これを10セット程度繰り返しましょう。テレビを見ながらCM間でもできます!

✅ 椅子でできる「背筋エクステンション」
- 椅子に座り、背筋を伸ばして両手を胸の前でクロス。
- ゆっくり上体を前に倒し、次に後ろへ反らせます(無理のない範囲で)。
- 腰に負担がかからないように意識しながら、前後に5〜10回繰り返しましょう。
➡ デスクワークや休憩中にもできるシンプルな運動なので続けやすいです。

このように、「腰を守るアイテム」+「筋力づくり」の両方を意識することで、より効果的に腰痛を予防できます。日々のちょっとした積み重ねが、将来の体への優しさにつながりますので、ぜひ取り入れてみて下さい。
腰痛予防に効果的なエクササイズに関しては、こちらの記事にまとめていますので、余裕のある人は実施してみて下さい。
▶︎介護職必見!腰痛対策ストレッチ【たった5分でOK】
https://kaigoskills.com/kaigo-youtsuu-stretch-5min/
よくある質問(FAQ)
Q. 腰痛ベルトは一日中つけていてもいいの?
A. 長時間の着用は筋力低下の原因になることも。介助時など必要なタイミングだけの着用がベストです。
→しかし仕事中につけたり外したりって、非常に面倒だと思います。長時間つけっぱなしになりがちですよね。だからこそ筋トレもある程度大切で、長時間のつけっぱなしによる筋力低下を予防するためにも、前述したトレーニングをやってみて下さい。
Q. 洗える腰痛ベルトはありますか?
A. 多くの製品が手洗い・洗濯対応ですが、製品によって異なるため、必ず事前に確認しましょう。
Q. インソールで腰痛は改善されますか?
A. 足元のクッション性が向上すると、腰への負担も軽減。足からのアプローチも腰痛予防に有効です。
まとめ
介護職の腰を守ること=自分の未来を守ること
介護の仕事は、誰かの生活を支えるやりがいのある仕事ですが、日々の業務ではどうしても身体への負担、特に「腰」へのダメージが避けられません。
移乗や体位変換など、腰を酷使する場面が多く、慢性的な腰痛に悩まされる介護職の方も多いのが現実です。
腰を痛めてしまえば、十分な介助ができなくなるだけでなく、仕事そのものを続けられなくなるリスクもあります。
だからこそ、腰を守ることは「今の自分の働きやすさ」だけでなく「これからの自分の未来」を守ることにもつながります。
今は大丈夫でも、数年後に影響が出ることも。
「まだ平気」ではなく、「今のうちからケアしておく」という意識が、長く働き続ける鍵になります。
今回ご紹介した腰痛対策アイテムは、どれも現場で実際に使えるサポートグッズばかりです。
自分に合ったものを取り入れ、無理のない介護を目指してみてください。
介護を続けたいあなたの身体を守るために、今できることから始めてみましょう。
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